変な家

知人が購入を検討している都内の中古一軒家。ごくありふれた物件に思えたが、間取り図に「謎の空間」が存在していることが判明。知り合いの設計士にその間取り図を見せると、この家は、そこかしこに「奇妙な違和感」が存在すると言う。間取りの謎をたどった先に見たものとは……。2020年10月に公開されるや大反響を呼び、ウェブサイトで166万PVを記録、YouTubeで508万回以上再生されている『【不動産ミステリー】変な家』を、未公開の続編も加えた完全版として書籍化。不可解な間取りの真相は!? 突如消えた「変な家の元住人」は一体何者!? 謎がついに解き明かされる!

雨穴著 飛鳥新社 1,400円(税込)

人新世の「資本論」

人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。それを阻止するためには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。いや、危機の解決策はある。ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす。

斎藤幸平著 集英社 1,122円(税込)

東京オリンピック2020 輝きの記憶。

【The Moments 輝きの瞬間】
陸上/フェンシング/空手/レスリング/スケートボード/サーフィン/競泳/マラソン/自転車/BMX/新体操

【Documents of Team JAPAN】
○橋本大輝&北園丈琉、運命みたいな五輪を終えて
○バスケット女子はなぜ「ガラスの天井」を破れたか
○侍ジャパンを導いた「司令塔の手書きファイル」
○上野由岐子は「究極のボール」を探し続ける
○吉田麻也が明かす「戦士を貫いた16日」

【The Voice of Olympians】
伊藤美誠/石川佳純/平野美宇/入江聖奈/須崎優衣/山田優/四十住さくら/西矢椛/野口啓代/村上茉愛/古川高晴/石川祐希/水谷隼

【TOKYO 2020 Nonfiction】
○[2連覇は時空を超えて]大野将平という存在証明
○[日本競泳陣を支えた指導哲学]ヘッドコーチ平井伯昌、最後の夏
○[日本スプリントの挑戦と蹉跌]4×100mリレー、未完の37秒50
○[ラストランで示した生き様]大迫傑「6位という残酷と希望のリアル」
○[アスリートが見せたもの]女王バイルスの離脱と“強き者”のメンタル

○[涙と熱狂の17日間]松岡修造の東京オリンピック日記
○[海外取材者の視点]80歳イタリア人カメラマン/アメリカ人記者
○[19日間の瞬き]小さき星たちの祭典

【Extra Angle in 2020+1】
芝山幹郎/増田俊也/角田光代/服部文祥

【TOKYO 2020 Result List】
東京五輪種目別結果一覧
コラム(1)新競技のメダルはどの国が多かった?
コラム(2)金メダル獲得「最多」都道府県は?

文藝春秋 1,650円(税込)

本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません 第5部〔6〕

「婚約を解消し、王の養女になる」エーレンフェストに帰還したローゼマインの報告は領主一族に混乱をもたらす。だが、決定は覆らない。中央に移動するまでに与えられた期間は1年。そんな娘の旅立ちを貴族の母・エルヴィーラは温かく見守る。「貴女は貴女らしさを失うことなく、進みなさい」と。神殿や印刷業務などの引き継ぎ、そのための最高品質の魔紙作りなど、着々と準備が進められていくのだった。移りゆく時に翻弄される母と子、側近達、下町の面々―同行する者と残る者。それぞれの選択が未来の扉を開く!書き下ろし短編×2本、椎名優描き下ろし「四コマ漫画」収録!

香月美夜著 TOブックス 1,320円(税込)

みとりねこ

猫の浩太は、一家の長男・浩美と生まれたときからずっと一緒。
もう二十歳を超えるけど、年齢を感じさせないピカピカの毛並みがご自慢。
いつも醤油にひたした肉球で、テーブルクロスにハンコをペタペタ。
さて、念入りな肉球ハンコのわけは――?

きっとあなたの宝物になる。猫とあなたの7つの物語。

有川ひろ著 講談社 1,705円(税込)

兇人邸の殺人

『魔眼の匣の殺人』から数ヶ月後――。神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と剣崎比留子が突然の依頼で連れて行かれた先は、“生ける廃墟”として人気を博す地方遊園地だった。園内にそびえる洋館「兇人邸」に、比留子たちが追う班目機関の研究成果が隠されているという。深夜、依頼主たちとともに兇人邸に潜入した二人を、“異形の存在”の無慈悲な殺戮が待ち受けていた。待望のシリーズ第三弾、ついに刊行!

今村昌弘著 東京創元社 1,870円(税込)

疼くひと

女のままでいたい。たとえどんなに孤独でも。―脚本家・唐沢燿子は古稀を迎え、日に日に「老い」を感じていた。しかしSNSで年下の男と出会い、生活が一変する。男の言葉に一喜一憂するうちに、身も心も溺れていく燿子。人生後半から燃え上がる、大人の恋の行方は…。

松井久子著 中央公論新社 1,760円(税込)

星落ちて、なお

鬼才・河鍋暁斎を父に持った娘・暁翠の数奇な人生とは――。父の影に翻弄され、激動の時代を生き抜いた女絵師の一代記。不世出の絵師、河鍋暁斎が死んだ。残された娘のとよ(暁翠)に対し、腹違いの兄・周三郎は事あるごとに難癖をつけてくる。早くから養子に出されたことを逆恨みしているのかもしれない。暁斎の死によって、これまで河鍋家の中で辛うじて保たれていた均衡が崩れた。兄はもとより、弟の記六は根無し草のような生活にどっぷりつかり頼りなく、妹のきくは病弱で長くは生きられそうもない。河鍋一門の行末はとよの双肩にかかっているのだった――。第165回直木賞受賞。

澤田瞳子著 文藝春秋 1,925円(税込)

もういちど

わ、若だんなの御身に、かつてない事件が!? 不思議な十ヶ月間の幕開けだ! 酔っ払った龍神たちが、隅田川の水をかき回して、長崎屋の舟をひっくり返したってぇ! 水に落ちた若だんなは200年ぶりの天の星の代替わりに巻き込まれて……。「しゃばけ」シリーズ第20弾!!

畠中恵著 新潮社 1,540円(税込)

貝に続く場所にて

コロナ禍が影を落とす異国の街に、9年前の光景が重なり合う。静謐な祈りをこめて描く鎮魂の物語。ドイツの学術都市に暮らす私の元に、震災で行方不明になったはずの友人が現れる。人を隔てる距離と時間を言葉で埋めてゆく、現実と記憶の肖像画。第64回群像新人文学賞受賞作にして、第165回芥川賞受賞作。

石沢麻依著 講談社 1,540円(税込)