追憶の烏

人間の代わりに「八咫烏」の一族が支配する世界「山内」。猿との大戦後に正式に即位した金烏・奈月彦は、大貴族四家の負担を増やし、娘の紫苑の宮を跡継ぎとすべく動いていた。外界に留学中の雪哉はその日、信じがたい一報を受け取る―『楽園の烏』に至る20年間に何があったのか?シリーズ最大の衝撃作。

阿部智里著 文芸春秋 803円(税込)

ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人

故郷で父が殺害された。仕事と結婚準備を抱えたまま生家に戻った真世は、何年間も音信不通だった叔父・武史と再会する。元マジシャンの武史は警察を頼らず、自らの手で犯人を見つけるという。かつて教師だった父を殺した犯人は、教え子である真世の同級生の中にいるのか。コロナ禍に苦しむ町を舞台に、新たなヒーロー“黒い魔術師”が手品のように華麗に謎を解く長編ミステリー!

東野圭吾著 光文社 990円(税込)

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。

親や学校、すべてにイライラした毎日を送る中2の百合。母親とケンカをして家を飛び出し、目をさますとそこは70年前、戦時中の日本だった。偶然通りかかった彰に助けられ、彼と過ごす日々の中、百合は彰の誠実さと優しさに惹かれていく。しかし、彼は特攻隊員で、ほどなく命を懸けて戦地に飛び立つ運命だった―。のちに百合は、期せずして彰の本当の想いを知る…。涙なくしては読めない、怒涛のラストは圧巻!

汐見夏衛著 スターツ出版 616円(税込)

滅びの前のシャングリラ

「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」。学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。そして―荒廃していく世界の中で、人生をうまく生きられなかった人びとは、最期の時までをどう過ごすのか。滅びゆく運命の中で、幸せについて問う傑作。

凪良ゆう著 中央公論新社 902円(税込)

陰からの一撃

昨年発生した新橋の社長殺しの容疑者が千葉で交通事故死した。警視庁捜査一課は特に不審な点は無い、と判断していたが、西川の自宅に宛名の書かれていない封筒が。そこには「真犯人は今も逃げている」、そして「追跡捜査係に情報を提供する」との文言が―。怪しいと感じながらも情報収集を優先し、夜の晴海ふ頭を一人で訪れた西川。だがそこに…!西川に魔の手が迫る、緊迫のシリーズ第十二弾!書き下ろし長編警察小説。

堂場瞬一著 角川春樹事務所 902円(税込)

ある閉ざされた雪の山荘で

俳優志願の男女7名が演じた殺人劇の結末は豪雪に見舞われ孤立した山荘という設定で、早春の乗鞍高原のペンションに集まった俳優志願の若き男女7名。演技のはずの殺人劇の中で仲間が消え、恐怖の結末が!

東野圭吾著 講談社 693円(税込)

陰流苗木 芋洗河岸1

神田明神下にある一口長屋に、妻子連れの侍が流れ着く。藩を食いつめ美濃を出てきた、その名は小此木善次郎。職業なし、金もなし、どこかとぼけたこの侍、じつは剣の達人と知れる。親切な住人や大家が揃う一口長屋に溶け込む一家だったが、長屋には隠された秘密があると知れ、善次郎はやがてその秘密と謎の渦に巻き込まれていく―。手に汗握る新シリーズ開幕!

佐伯泰英著 光文社 858円(税込)

恋か隠居か 新・酔いどれ小籐次二十六

江戸・三十間堀の小さな町道場が、怪しい証文を盾にした男たちから狙われている。道場主と孫娘の愛を救うため、十八歳の駿太郎は名を秘して入門する。親分や読売屋と協力して活躍する息子を見守るおりょう、隠居を考える小籐次。しかし親子への挑戦状が―伊勢まいりが大流行する中、あの鼠小僧も登場!?恋と勝負と涙の感動作。

佐伯泰英著 文藝春秋 869円(税込)

外科医、島へ 泣くな研修医6

半年の任期で離島の診療所に派遣された、三一歳の外科医・雨野隆治。島ではあらゆる病気を診なければならず、自分の未熟さを思い知る。束の間の息抜きを楽しんだ夏祭りの夜に、駐在所の警官から電話が。それは竹藪で見つかった身元不明の死体を検死してほしいという依頼だった―。現役外科医が生と死の現場をリアルに描く、シリーズ第六弾。

中山祐次郎著 幻冬舎 693円(税込)

野心 ボーダーズ3

警部補由宇は詐欺容疑者追跡中、爆破強奪事件に遭遇し負傷。後日、容疑者が射殺され……。ガラスの天井に挑む刑事の苦悩と活躍。書き下ろし警察小説シリーズ第3弾。

堂場瞬一著 集英社 1,155円(税込)