100歳のことば100選

100歳を超えて、または100歳近くまで活躍した作家、芸術家、俳優、政財界人など八十数名による名言集。老いてなお快活に暮らす秘訣とは。「長生きするためには、退屈しないこと。僕なんか毎日忙しくて、死んでるヒマなんかありませんよ」(物集高量・作家・106歳没)、「芸術とは、どこまで大きく未完成で終わるかだ」(奥村土牛・画家・101歳没)、「創めることは未来に花を咲かせること」(日野原重明・医師・現100歳)、「いつでも腹の中は風が吹いているように軽い」(宇野千代・作家・98歳没)……。さりげないひと言に年輪を感じさせる珠玉のメッセージ集を、このたび100歳を迎えられた現役医師の日野原重明氏が編纂。氏いわく、「人生は五十歳とか六十歳で前半、後半と分かれるものではありません。ハーフタイムは、だんだんあとにきます。そして、あとにくる人生のほうが濃縮するのです」。すべての日本人に伝えたい「老いの美学」が詰まった一冊である。文庫書き下ろし。

日野原重明 編著 PHP研究所  540円(込)

神様のカルテ

栗原一止は信州にある「二四時間、三六五日対応」の病院で働く、悲しむことが苦手な二十九歳の内科医である。職場は常に医師不足、四十時間連続勤務だって珍しくない。ぐるぐるぐるぐる回る毎日に、母校の信濃大学医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば最先端の医療を学ぶことができる。だが大学病院では診てもらえない、死を前にした患者のために働く医者でありたい…。悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。二〇一〇年本屋大賞第二位、日本中を温かい涙に包み込んだベストセラー、待望の文庫化

夏川草介著  小学館  580円(込)

八日目の蝉

逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか…。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。偽りの母子の先が見えない逃亡生活、そしてその後のふたりに光はきざすのか。心ゆさぶるラストまで息もつがせぬ傑作長編。第二回中央公論文芸賞受賞作。

角田光代著  中央公論新社  620円(込)

ゴールデンスランバー

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ?何が起こっているんだ?俺はやっていない―。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。

伊坂幸太郎著 新潮社 900円(込)

白銀ジャック

 東野圭吾著  実業の日本社 680円(込)

「我々は、いつ、どこからでも爆破できる」。年の瀬のスキー場に脅迫状が届いた。警察に通報できない状況を嘲笑うかのように繰り返される、山中でのトリッキーな身代金奪取。雪上を乗っ取った犯人の動機は金目当てか、それとも復讐か。すべての鍵は、一年前に血に染まった禁断のゲレンデにあり。今、犯人との命を賭けたレースが始まる。圧倒的な疾走感で読者を翻弄する、痛快サスペンス。

ダイイング・アイ

 

雨村慎介は何者かに襲われ、頭に重傷を負う。犯人の人形職人は、慎介が交通事故で死なせた女性の夫だった。怪我の影響で記憶を失った慎介が事故について調べ始めると、周囲の人間たちは不穏な動きを見せ始める。誰が嘘をつき、誰を陥れようとしているのか。やがて慎介の前に妖しい魅力に満ちた謎の女が現れる。女の正体は、人形職人が甦らせた最愛の妻なのか?

東野圭吾著 光文社 700円(込)

のぼうの城 上、下

     

  戦国期、天下統一を目前に控えた豊臣秀吉は関東の雄・北条家に大軍を投じた。そのなかに支城、武州・忍城があった。周囲を湖で取り囲まれた「浮城」の異名を持つ難攻不落の城である。秀吉方約二万の大軍を指揮した石田三成の軍勢に対して、その数、僅か五百。城代・成田長親は、領民たちに木偶の坊から取った「のぼう様」などと呼ばれても泰然としている御仁。武・智・仁で統率する、従来の武将とはおよそ異なるが、なぜか領民の人心を掌握していた。従来の武将とは異なる新しい英傑像を提示した四十万部突破、本屋大賞二位の戦国エンターテインメント小説。

                     和田竜著 小学館  各480円(込) 

いっちばん

兄の松之助が長崎屋を出て所帯を持ち、親友の栄吉は菓子作りの修業へ。普段から病弱な若だんなは、さらに寂しそう。妖たちは若だんなを慰めようと、競って贈り物探しに出かけるが。長崎屋と商売がたきの品比べに、お雛をめぐる恋の鞘当て、果ては若だんなと大天狗の知恵比べ―さて勝負の行方はいかに?シリーズ第七弾は、一太郎の成長が微笑ましく、妖たちの暴走も痛快な全五編。

畠中 恵著 新潮社 540円(込)

インシテミル

 米澤穂信 文春文庫  720円(込)

「ある人文科学的実験の被験者」になるだけで時給十一万二千円がもらえるという破格の仕事に応募した十二人の男女。とある施設に閉じ込められた彼らは、実験の内容を知り驚愕する。それはより多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う犯人当てゲームだった―。いま注目の俊英が放つ新感覚ミステリー登場。

告白

 湊 かなえ著 双葉社  650円(込)

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラーが遂に文庫化!“特別収録”中島哲也監督インタビュー『「告白」映画化によせて』。