境遇

政治家の妻であり、息子のために描いた絵本『あおぞらリボン』がベストセラーとなった高倉陽子と、新聞記者の相田晴美は親友同士。共に幼いころ親に捨てられ児童養護施設で育った過去を持つ。ある日、「息子を返してほしければ、真実を公表しろ」という脅迫状とともに、陽子の息子が誘拐された。「真実」とは一体何なのか。そして犯人は…。絵本『あおぞらリボン』(作・みなとかなえ、絵・すやまゆうか)を特別収録。

 

湊 かなえ著   双葉社   680円(込)

起終点駅

鷲田完治が道東の釧路で法律事務所を開いてから三十年が経った。国選の弁護だけを引き受ける鷲田にとって、釧路地方裁判所刑事法廷、椎名敦子三十歳の覚醒剤使用事件は、九月に入って最初の仕事だった(表題作「起終点駅」)。久保田千鶴子は札幌駅からバスで五時間揺られ、故郷の天塩に辿り着いた。弟の正次はかつてこの町で強盗殺人を犯し、拘留二日目に自殺した。正次の死後、町を出ていくよう千鶴子を説得したのは、母の友人である星野たみ子だった(「潮風の家」)。北海道各地を舞台に、現代人の孤独とその先にある光を描いた短編集を、映画化と同時に文庫化!

桜木紫乃著  小学館  648円(込)

「運命」はひらける!

読む者を圧倒する体験談 生きた人間学がここにあります! 岡山の歯科医院院長が安岡正篤の本に学んだこと―。人づきあい、夫婦関係、子育て、仕事……。困難な時にこそ安岡の教えに立ち返れ!あなたの運命もきっとひらける安岡正篤の珠玉の言葉。

 

小林充冶著   プレジデント社  1512円(込)

政治家と小説家という学生時代の夢を叶えた男達。二人の間には、忌まわしい殺人事件の過去が封印されていた。彼らの足跡を辿りながら、平成という時代を照射する社会派ミステリー。

 

堂島瞬一著  集英社   799円(込)

漁港の肉子ちゃん

男にだまされた母・肉子ちゃんと一緒に、流れ着いた北の町。肉子ちゃんは漁港の焼肉屋で働いている。太っていて不細工で、明るい―キクりんは、そんなお母さんが最近少し恥ずかしい。ちゃんとした大人なんて一人もいない。それでもみんな生きている。港町に生きる肉子ちゃん母娘と人々の息づかいを活き活きと描き、そっと勇気をくれる傑作。

 

西 加奈子著  幻冬舎   648円(込)

禁断の魔術

高校の物理研究会で湯川の後輩にあたる古芝伸吾は、育ての親だった姉が亡くなって帝都大を中退し町工場で働いていた。ある日、フリーライターが殺された。彼は代議士の大賀を追っており、また大賀の担当の新聞記者が伸吾の姉だったことが判明する。伸吾が失踪し、湯川は伸吾のある“企み”に気づくが…。シリーズ最高傑作!

東野圭吾著   文藝春秋    680円(込)

日本のいちばん長い日

昭和二十年八月六日、広島に原爆投下、そして、ソ連軍の満州侵略と、最早日本の命運は尽きた…。しかるに日本政府は、徹底抗戦を叫ぶ陸軍に引きずられ、先に出されたポツダム宣言に対し判断を決められない。八月十五日をめぐる二十四時間を、綿密な取材と証言を基に再現する、史上最も長い一日を活写したノンフィクション。

 

半藤一利著   文藝春秋   648円(込)

また、同じ夢を見ていた

デビュー作にして25万部を超えるベストセラーとなった『君の膵臓をたべたい』の著者が贈る、待望の新作。友達のいない少女、リストカットを繰り返す女子高生、アバズレと罵られる女、一人静かに余生を送る老婆。彼女たちの“幸せ”は、どこにあるのか。「やり直したい」ことがある、“今”がうまくいかない全ての人たちに送る物語。

住野よる著   双葉社  1512円(込)

 

火花

 

芥川賞 受賞

人間とは何かを描いた 又吉直樹デビュー作

 

又吉直樹著  文藝春秋   1296円(込)

教場 2

怪物じみた切れ者刑事は、なぜ教官に転じたのか?君には、警察学校を辞めてもらう。“退校”宣告から執行までのタイムリミットは一週間。風間教場に編入された不運を呪いながら、己と闘え。大ヒット警察小説、新章突入!

長岡弘樹著  小学館  1620円(込)