マスカレード・ゲーム

溶接加工会社勤務の入江悠斗が、何者かに刃物で胸を刺されて死んだ。悠斗は17歳のときに傷害事件を起こしていた。事件を担当する捜査一課の新田はかつての先輩警官・本宮、女性エリート警部・梓、その部下として働く能勢の捜査報告から、別の二件の殺人事件との関連性を疑う。そしてそれぞれの事件の容疑者が「あのホテル」に宿泊することが判明。新田は三度、潜入捜査を開始する―。

東野圭吾著 集英社 990円(税込)

鏡面のエリクサー 天久鷹央の事件カルテ

鷹央の天敵にして、天医会総合病院の院長、天久大鷲。彼が手術を執刀した都議会議員が「このままでは、自分は殺される!」と大鷲を告発し、警察に助けを求めた。まさかの状況に混乱する小鳥遊たちだったが、やがて事態は殺人事件へと発展し、病院の存続がかかる最悪の事態に。果たして、鷹央は叔父の容疑を晴らし、病院に平穏を取り戻せるのか。現役医師が描く本格医療ミステリー!

知念実希人著 実業之日本社 902円(税込)

おやごころ

妻のお和歌が身ごもった。「今度こそちゃんと、生まれてくる子のおとっつぁんになるんだ」。喜びつつも不安でたまらない麻之助は、気を紛らわそうと支配町を走り回る。この頃相談事が極端に減った町名主を訪ねたところ、意外なことが分かり―。そしてついに、待望の男の子が誕生!ほっこり心が温かくなる第九弾。

畠中恵著 文藝春秋 836円(税込)

ファラオの密室

紀元前14世紀、古代エジプト。死んでミイラにされた神官のセティは、心臓に欠けがあるため、冥界へ行く審判を受けることができない。欠けた心臓を取り戻すために地上に舞い戻ったが、期限は3日。なぜ心臓が欠けたのか―。セティは死の真相を探るうち、密室状態のピラミッドから先王のミイラが消失するという大事件に直面する。タイムリミットが迫るなか、セティはミイラ消失事件の謎を解き明かせるか!?第22回『このミステリーがすごい!』大賞大賞受賞作。

白川尚史著 宝島社 840円(税込)

#真相をお話しします

島育ちの仲良し小学生四人組。あの日「ゆーちゅーばー」になることを夢見た僕らの末路は…(「#拡散希望」)。マッチングアプリでパパ活。リモート飲み会と三角関係。中学受験と家庭教師。精子提供と殺人鬼。日常に潜む「何かがおかしい」。その違和感にあなたは気づくことができるか。新時代のミステリの旗手による、どんでん返しの五連撃。日本推理作家協会賞受賞作を含む、傑作短編集。

結城真一郎著 新潮社 649円(税込)

ようこそ実力至上主義の教室へ 3年生編1

2年最後の「学年末特別試験」を経て、3年生をAクラスで迎えるにいたった堀北たち元1年Dクラス。だが最大の立役者・綾小路清隆がクラス移籍をしてしまう。堀北クラスの生徒たちは混乱と混沌の感情に陥いるが―たった一つの残酷な事実がそこには存在していた。堀北たち3年Aクラスは、『綾小路清隆』に勝利せねば、Aクラスで卒業できない。成長を見せる龍園とBクラス、綾小路のCクラスと一之瀬のDクラスに新たな繋がりが生じる中、3年最初の特別試験『全体、少数戦学力総合テスト』が発表される!Aクラスで卒業できるのはたった1クラス。頂点に立つのはどのクラスなのか!待望の『3年生編』スタート!

衣笠彰悟著 KADOKAWA 748円(税込)

わたしの幸せな結婚 9

旧都にある久堂家の本家・宮小路家に挨拶へ行くことになった美世と清霞。由緒ある神社の宮司である当主の弧門は清霞の幼なじみでもあり、二人を歓迎する。新婚旅行を兼ねて楽しいだけの旅にしたかった清霞の思いとは裏腹に、初日から美世は金髪碧眼の端麗な男性に声をかけられる。ユージンと名乗る彼は執拗に美世を誘い再会をほのめかす。さらに薄刃の力に目を付けた宮小路家の男達に美世は狙われて…。ここからは、稀なるおしどり夫婦の物語。いざ、歴史と曰くと怪異に満ちた旧都へ―。

顎木あくみ著 KADOKAWA 726円(税込)

一次元の挿し木

ヒマラヤ山中で発掘された二百年前の人骨。大学院で遺伝人類学を学ぶ悠がDNA鑑定にかけると、四年前に失踪した妹のものと一致した。不可解な鑑定結果を担当教授の石見崎に相談しようとした矢先、石見崎は何者かに殺害された。古人骨を発掘した調査員も襲われ、研究室から古人骨も盗まれた。悠は妹の生死と、古人骨のDNAの真相を突き止めるべく動き出すが、予想もつかない大きな企みに巻き込まれていく―。2025年第23回『このミステリーがすごい!』大賞文庫グランプリ受賞作。

松下龍之介著 宝島社 900円(税込)

少年と犬

家族のために犯罪に手を染めた男。拾った犬は男の守り神になった―男と犬。仲間割れを起こした窃盗団の男は、守り神の犬を連れて故国を目指す―泥棒と犬。壊れかけた夫婦は、その犬をそれぞれ別の名前で呼んでいた―夫婦と犬。体を売って男に貢ぐ女。どん底の人生で女に温もりを与えたのは犬だった―娼婦と犬。老猟師の死期を知っていたかのように、その犬はやってきた―老人と犬。震災のショックで心を閉ざした少年は、その犬を見て微笑んだ―少年と犬。犬を愛する人に贈る感涙作。

英雄の悲鳴 ラストライン 7

立川中央署から本庁捜査一課に復帰した岩倉。愛弟子とも言うべき伊東彩香とのコンビも復活した。そんな岩倉の前に難事件が立ちはだかる。町田市の公園で若い男性の遺体が発見された。めぼしい遺留品はなく目撃者もなし。岩倉たちの懸命の捜査で遺体の身元は明らかになるが、やがてその男にストーカー疑惑が持ち上がる―。

堂場瞬一著 文藝春秋 946円(税込)