一文字助真

豊後国日出藩に生を享け、厳しい剣の修行に明け暮れ生きる若侍、猪俣小次郎。道場破りがもたらした思いがけない死をきっかけに、愛刀一文字助真を携え孤独な剣術修行の旅に出た。道中で出会った姉を捜す少女・薫子と小次郎はともに江戸吉原に辿り着くが―。若者たちが己の力で試練を乗り越え、未来を切り開こうとする。その先に見出されるふたりの「夢」の形とは。

佐伯泰英著 光文社 946円(税込)

欲望の裏 警視庁追跡捜査係

被害者の顔と指紋が潰されていて、未だに身元が特定されていない五年前の事件。その管轄だった八王子中央署の特捜が、追跡捜査係にヘルプを求めてきた。手掛かりは現場に乗り捨てられたレンタカーと被害者が持っていたUSBメモリだけ。だがレンタカーの借り主は失踪中、USBメモリ内には何の情報も残されていなかった。このたった二つの手掛かりを元に、追跡捜査係の沖田と西川が執念の捜査を辿る!大人気警察小説シリーズ、書き下ろし第十四弾。

堂場瞬一著 角川春樹事務所 924円(税込)

ほどなく、お別れです 遠くの空へ

新型コロナウィルスの影響で様々な対応に追われる、スカイツリー近くの葬儀場「坂東会館」。清水美空も、教育係の漆原と同じ「葬祭ディレクター」を名乗るための試験を受けられず、煮え切らない気持ちでいた。そんな中、漆原の師である社員・水神が引退を決め、美空はある大役を任されることになり…。不可解な場所で交通事故に遭った料理人、新婚の夫の遺体との面会を拒む妻、かつて息子と孫を亡くし改宗した男性、美空の高校時代の恩師―コロナ禍でも人々の営みは続き、お別れに直面する人がいる。漆原の過去も明かされる、人気シリーズ第四弾!

長月天音著 小学館 847円(税込)

人間標本

人間も一番美しい時に標本にできればいいのにな―。ひどく損壊された6人の少年の遺体が発見されると、社会はその事件の異様さに衝撃を受けた。大学の生物学科で蝶の研究をする榊史朗は、蝶の世界を渇望するあまり、息子を含む6人の少年たちを手にかけたと独白する。蝶に魅せられ、禁断の「標本」を作り上げたという男の手記には、理解しがたい欲求が記されていた…。耽美と狂おしさが激しく入り乱れる、慟哭のミステリ。

湊かなえ著 KADOKAWA 924円(税込)

めじろ鳴く

今は老境にあるかつての剣豪宮本武蔵のもとを柳生十兵衛の門弟が訪ねてきた。天下の剣を極めた柳生が今さら何を企んでいるのだ?訝しむ武蔵は、次第にこの門弟に心を許していく―。老剣客の気骨を活写する表題作ほか、父の仇討ちのため旅に出る若き剣士を描いた書き下ろし新作「妻手指」を収録する珠玉の全六編。著者初の短編集。

佐伯泰英著 文藝春秋 880円(税込)

国宝 上下

1964年元旦、侠客たちの抗争の渦中で、この国の宝となる役者は生まれた。男の名は、立花喜久雄。任侠の家に生まれながらも、その美貌を見初められ、上方歌舞伎の大名跡の一門へ。極道と梨園、生い立ちも才能も違う俊介と出会い、若き二人は芸の道に青春を捧げていく。

吉田修一著 朝日新聞出版 880円(税込)
吉田修一著 朝日新聞出版 880円(税込)

成瀬は天下を取りにいく

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」幼馴染の島崎みゆきにそう宣言したのは、中学二年生の成瀬あかり。閉店を間近に控える西武大津店に通い、ローカル番組の中継に毎日映るといいだした。さらに、お笑いコンビ・ゼゼカラでM‐1に挑み、高校の入学式には坊主頭で現れ、目標は二百歳まで生きること。最高の主人公の登場に、目が離せない!本屋大賞を受賞した圧巻の青春小説!

宮島未奈著 新潮社 693円(税込)

マイブック 2026年の記録

マイブックには、日付と曜日しか入っていません。これは2026年のあなたがつくる、世界に一冊だけの本。どんなふうに使うかはあなたの自由です。日記をつづってもよし。手帳として持ち歩くのもよし。誰にも思いつかないオリジナルな使い方を試してみるのも、きっと楽しいでしょう。毎日使い続けて完成させたなら、他のどの本よりも記憶に残る、とっておきの「自分の本」になっているはずです。

新潮文庫 新潮社 539円(税込)

爆弾

自称・スズキタゴサク。取調室に捕らわれた冴えない男が、突如「十時に爆発があります」と予言した。直後、秋葉原の廃ビルが爆発。爆破は三度、続くと言う。ただの“霊感”だと嘯くタゴサクに、警視庁特殊犯係の類家は情報を引き出すべき知能戦を挑む。炎上する東京。拡散する悪意を前に、正義は守れるか。

呉勝浩著 講談社 1,067円(税込)

新しい花が咲く ぼんぼん彩句

寿退社後に婚約破棄されたアツコが行く当てもなく乗ったバスの終点で見たもの。学級閉鎖で留守番中のアタル君が巻き込まれた不思議な事件。自殺同然の事故で兄を亡くした妹が、偶然出会った中学生。俳句から着想を得て生まれた物語は、十七音の枠を超え、色彩豊かな無限の世界へ広がってゆく。人生の機微を掬い取るように描く、怖くて、切なくて、涙を誘う、極上の短編集。『ぼんぼん彩句』改題。

宮部みゆき著 新潮社 935円(税込)