宙ごはん

宙は小学校に上がるのを機に、育ての母・風海(ママ)のもとを離れ、産みの母・花野(お母さん)と暮らし始める。家事をせず、イラストレーターの仕事を最優先にする花野との生活を支えてくれたのは、商店街のビストロで働く佐伯と家政婦の田本だった。花野への不満を募らせて家を飛び出した宙に、佐伯はパンケーキを作ってくれた。その日から、宙は佐伯から料理を教わり、レシピをノートに書き続けていく―。2023年本屋大賞にノミネートされた話題作。文庫版には、書き下ろしを含む2本の掌編を収録する。

町田そのこ著 小学館 946円(税込)

野火、奔る

評判の小間物問屋『遠野屋』の看板商品の原料・紅餅を積んだ船が消息を絶ち、遠野屋の奉公人にも不審な手が忍び寄る。遠野屋主の清之介は最大の窮地に、最も頼りたくない相手、北町奉行所定町廻り同心の木暮信次郎に頭を下げる。遠野屋の危機と、信次郎たちが追う殺しの線が繋がったとき、衝撃の真相が露わに―。一二一万部突破の人気シリーズ、待望の第十二弾!

あさのあつこ著 光文社 880円(税込)

鑑定人氏家京太郎

民間の科学捜査鑑定所で所長を務める氏家京太郎。彼のもとに舞い込んだのは、世間を騒がす連続殺人事件の鑑定依頼だった。女子大生三人が殺害され子宮を抜き取られるという猟奇的な事件だが、容疑者の那智は二人への殺人は認め、もう一人への犯行は否認している。那智が三人を殺害したとする検察の鑑定結果に違和感を抱く氏家は再鑑定を試みる。しかし、何者かの妨害が相次いで起きて―。驚愕の結末が待ち受ける、圧巻の鑑定サスペンス!

中山七里著 双葉社 803円(税込)

その復讐、お預かりします

愛した男に騙され仕事を失った美菜代は、凄腕の復讐屋がいるという噂を聞きつけ、その男、成海慶介の事務所を訪ねる。しかし提示された依頼料は高額で、とても払えない。追い返されても諦めきれない美菜代は成海のもとで働かせて欲しいと頼み込み、押しかけ秘書となるが―。どうしようもない人生の不条理に直面する人々の悲喜交々を描いた、ユーモアと優しさ溢れる復讐劇が新装版となって登場!

原田ひ香著 双葉社 814円(税込)

迷うこころ お勝手のあん 11

一人前の料理人となり、日々仕事へ精進するおやす。紅屋ではとめ吉に料理を教えるために、代わって下働きをする女の子・おせいを新しく雇うこととなった。そんな折、高輪にある東禅寺のイギリスの公使館が襲われた。世情不安が大きくなる中、おやすの長屋を薩摩藩の川路正之進が訪ねてくる。それは夫を亡くしたおあつさんからおやすへの呼び出しであった。おやすは久方ぶりの再会に喜ぶが、もはや故郷に帰ることもできないおあつさんの立場に、胸がふさがれて…。不安な幕末の世を精一杯生きる人々を描く大好評シリーズ第十一弾!

柴田よしき著 角川春樹事務所 770円(税込)

巡り合い 仕立屋お竜

武芸の師・佐兵衛と再会したお竜は「北条一心流」の皆伝印可を与えられ、武芸者として生きる覚悟を固めた。そんな折、五万石の当主の剣術指南を務めるひたむきな若侍と出会う。その剣の道にかける思いを微笑ましく見守るお竜だったが、ひょんなことから政争に巻き込まれた若侍は、大きな試練に直面する。傑作時代小説第七弾。第12回日本歴史時代作家協会賞文庫書き下ろしシリーズ賞受賞。

岡本さとる著 文藝春秋 825円(税込)

家裁調査官・庵原かのん

少年少女たちは、なぜ罪を犯してしまったのか?その真の原因を探るのが「家裁調査官」である。福岡家裁北九州支部の調査官・庵原かのんは、自転車窃盗、JKビジネス、バイク暴走、女性暴行など数多くの事件に直面していた。当事者である子どもたちの声に耳を傾けるうちに、彼女はそれぞれの事件の“深い根”に気が付き、そして…。心理描写の名手が満を持して放つ、待望の新シリーズ。

乃南アサ著 新潮社 880円(税込)

天久翼の読心カルテ 神酒クリニックで乾杯を

神酒クリニック。院長である神酒章一郎のもとに集ったのは、六人の天才たち。その中には、天久鷹央の兄、精神科医・天久翼の姿もあった―。とある資産家から息子殺害の犯人探しを依頼された翼たちは、事件が想像以上の「闇」を孕んでいることに気づく。違法賭博。誘拐。殺人。複雑に絡み合う謎の真相は?現役医師による、もう1つの代表シリーズ。ハードボイルド医療ミステリー!(『神酒クリニックで乾杯を』改題・改稿)

知念実希人著 実業之日本社 858円(税込)

世界でいちばん透きとおった物語 2

新人作家の藤阪燈真の元に奇妙な依頼が舞い込む。コンビ作家・翠川双輔のプロット担当が死去したため、ミステリ専門雑誌『アメジスト』で連載中の未完の作品『殺導線の少女』の解決編を探ってほしいというものだ。担当編集の霧子の力を借りて調べるうちに、小説に残された故人の想いが明らかになり―。各種メディアで話題沸騰。新人作家と敏腕編集による、ビブリオ・ミステリ第2弾!

杉井光著 新潮社 737円(税込)

変な絵

オカルトサークルに所属する佐々木は、後輩の栗原からとあるブログの存在を教えられる。そこには、『あなたが犯した罪』という不穏なメッセージとともに、投稿者の妻が描いた「絵」が掲載されていた―。『風に立つ女の絵』『灰色に塗りつぶされたマンションの絵』『震えた線で描かれた山並みの絵』…9枚の奇妙な絵に秘められた衝撃の真実とは!?その謎が解けたとき、すべての事件が一つに繋がる!49ページに及ぶ物語の前日譚『続・変な絵』と『ナゾ解きゲーム』も特別収録。第16回オリコン年間“本”ランキング2023BOOKランキングジャンル別「文芸書」第1位。

雨穴著 双葉社 858円(税込)