ソロモンの偽証 第3部  上、下

空想です―。弁護人・神原和彦は高らかに宣言する。大出俊次が柏木卓也を殺害した根拠は何もない、と。城東第三中学校は“問題児”というレッテルから空想を作り出し、彼をスケープゴートにしたのだ、と。対する検事・藤野涼子は事件の目撃者にして告発状の差出人、三宅樹理を証人出廷させる。あの日、クリスマスイヴの夜、屋上で何があったのか。白熱の裁判は、事件の核心に触れる。

 

宮部みゆき 著  新潮社   上 853円(込) 下 907円(込)

Nのための

 

超高層マンション「スカイローズガーデン」の一室で、そこに住む野口夫妻の変死体が発見された。現場に居合わせたのは、20代の4人の男女。それぞれの証言は驚くべき真実を明らかにしていく。なぜ夫妻は死んだのか?それぞれが想いを寄せるNとは誰なのか?切なさに満ちた、著者初の純愛ミステリー。

 

湊 かなえ著  双葉社  680円(込)

紙の月

ただ好きで、ただ会いたいだけだった。わかば銀行から契約社員・梅澤梨花(41歳)が1億円を横領した。正義感の強い彼女がなぜ? そして――梨花が最後に見つけたものは?! あまりにもスリリングで狂おしいまでに切実な、角田光代の傑作長篇小説。各紙誌でも大絶賛され、映像化もされた第25回柴田錬三郎賞受賞作が、遂に文庫化!

 

 

角田光代著  角川春樹事務所  637円(込)

マスカレード・イブ

ホテル・コルテシア大阪で働く山岸尚美は、ある客たちの仮面に気づく。一方、東京で発生した殺人事件の捜査に当たる新田浩介は、一人の男に目をつけた。事件の夜、男は大阪にいたと主張するが、なぜかホテル名を言わない。殺人の疑いをかけられてでも守りたい秘密とは何なのか。お客さまの仮面を守り抜くのが彼女の仕事なら、犯人の仮面を暴くのが彼の職務。二人が出会う前の、それぞれの物語。「マスカレード」シリーズ第2弾。

 

東野圭吾著  集英社   648円(込)

マスカレード・ホテル

 

都内で起きた不可解な連続殺人事件。容疑者もターゲットも不明。残された暗号から判明したのは、次の犯行場所が一流ホテル・コルテシア東京ということのみ。若き刑事・新田浩介は、ホテルマンに化けて潜入捜査に就くことを命じられる。彼を教育するのは、女性フロントクラークの山岸尚美。次から次へと怪しげな客たちが訪れる中、二人は真相に辿り着けるのか!?いま幕が開く傑作新シリーズ。

 

東野圭吾著    集英社   821円(込)

海賊とよばれた男  上、下

 

一九四五年八月十五日、敗戦で全てを失った日本で一人の男が立ち上がる。男の名は国岡鐡造。出勤簿もなく、定年もない、異端の石油会社「国岡商店」の店主だ。一代かけて築き上げた会社資産の殆どを失い、借金を負いつつも、店員の一人も馘首せず、再起を図る。石油を武器に世界との新たな戦いが始まる。

 

百田尚樹著  講談社   各810円(込)

パラドックス13

 

13時13分13秒、街から人が消えた。無人の東京に残されたのは境遇も年齢も異なる13人の男女。なぜ彼らが選ばれたのか。大雨と地震に襲われる瓦礫の山と化した街。そして生き抜こうとする人達の共通項が見えてくる。世界が変れば善悪も変る。殺人すらも善となる。極限状態で見えてくる人間の真理とは。

 

東野圭吾著  講談社  896円(込)

アンのゆりかご

 

戦争へと向かう不穏な時勢に、翻訳家・村岡花子は、カナダ人宣教師から友情の証として一冊の本を贈られる。後年『赤毛のアン』のタイトルで世代を超えて愛されることになる名作と花子の運命的な出会いであった。多くの人に明日への希望がわく物語を届けたい―。その想いを胸に、空襲のときは風呂敷に原書と原稿を包んで逃げた。情熱に満ちた生涯を孫娘が描く、心温まる評伝。

村岡恵理   新潮社  810円(込)

白ゆき姫殺人事件

化粧品会社の美人社員が黒こげの遺体で発見された。ひょんなことから事件の糸口を掴んだ週刊誌のフリー記者、赤星は独自に調査を始める。人人への聞き込みの結果、浮かび上がってきたのは行方不明になった被害者の同僚。ネット上では憶測が飛び交い、週刊誌報道は過熱する一方、匿名という名の皮をかぶった悪意と集団心理。噂話の矛先は一体誰に刃を向けるのか。傑作長編ミステリー。

湊かなえ著   集英社  定価 600円+税

 

ルーズヴェルトゲーム

大手ライバル企業に攻勢をかけられ、業績不振にあえぐ青島製作所。リストラが始まり、歴史ある野球部の存続を疑問視する声が上がる。かつての名門チームも、今やエース不在で崩壊寸前。廃部にすればコストは浮くが―社長が、選手が、監督が、技術者が、それぞれの人生とプライドをかけて挑む奇跡の大逆転とは。

 

池井戸 潤著  講談社  800円+税