最後の皇帝と謎解きを

一九二〇年、中国。北京在住で日本人絵師の一条剛は、紫禁城に住む廃帝・溥儀に水墨画の師として雇われた。しかし溥儀には、城に眠る水墨画を贋作にすり替えて真作を秘密裏に売却し、清朝復興のための資金を調達する目的があったのだった―。使用人の宦官のひとりが密室で不審死を遂げた事件を皮切りに、龍の絵に何者かの手で描き加えられていた眼、ある時を境に感情をなくした宦官など、一条はさまざまな謎を少年廃帝とともに解き明かすことになる。立場を超え、ふたりの間には徐々に友情が芽生えていくが…。2026年第24回『このミステリーがすごい!』大賞大賞受賞作。紫禁城で起こる密室殺人事件に溥儀と日本人絵師が挑む!身分も国も超えた人々の友情×歴史ミステリー。

犬丸幸平著 宝島社 1,760円(税込)

国宝 上下

1964年元旦、侠客たちの抗争の渦中で、この国の宝となる役者は生まれた。男の名は、立花喜久雄。任侠の家に生まれながらも、その美貌を見初められ、上方歌舞伎の大名跡の一門へ。極道と梨園、生い立ちも才能も違う俊介と出会い、若き二人は芸の道に青春を捧げていく。

吉田修一著 朝日新聞出版 880円(税込)
吉田修一著 朝日新聞出版 880円(税込)

成瀬は天下を取りにいく

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」幼馴染の島崎みゆきにそう宣言したのは、中学二年生の成瀬あかり。閉店を間近に控える西武大津店に通い、ローカル番組の中継に毎日映るといいだした。さらに、お笑いコンビ・ゼゼカラでM‐1に挑み、高校の入学式には坊主頭で現れ、目標は二百歳まで生きること。最高の主人公の登場に、目が離せない!本屋大賞を受賞した圧巻の青春小説!

宮島未奈著 新潮社 693円(税込)

マイブック 2026年の記録

マイブックには、日付と曜日しか入っていません。これは2026年のあなたがつくる、世界に一冊だけの本。どんなふうに使うかはあなたの自由です。日記をつづってもよし。手帳として持ち歩くのもよし。誰にも思いつかないオリジナルな使い方を試してみるのも、きっと楽しいでしょう。毎日使い続けて完成させたなら、他のどの本よりも記憶に残る、とっておきの「自分の本」になっているはずです。

新潮文庫 新潮社 539円(税込)

爆弾

自称・スズキタゴサク。取調室に捕らわれた冴えない男が、突如「十時に爆発があります」と予言した。直後、秋葉原の廃ビルが爆発。爆破は三度、続くと言う。ただの“霊感”だと嘯くタゴサクに、警視庁特殊犯係の類家は情報を引き出すべき知能戦を挑む。炎上する東京。拡散する悪意を前に、正義は守れるか。

呉勝浩著 講談社 1,067円(税込)

暁星

「ただ、星を守りたかっただけ――」 現役の文部科学大臣で文壇の大御所作家でもある清水義之が全国高校生総合文化祭の式典の最中、舞台袖から飛び出してきた男に刺されて死亡する事件がおきた。逮捕された男の名前は永瀬暁、37歳。永瀬は逮捕されたのち、週刊誌に手記を発表しはじめる。そこには、清水が深く関わっているとされる新興宗教に対する恨みが綴られていた。また、式典に出席していた作家は、永瀬の事件を小説として描く。ノンフィクションとフィクション、ふたつの物語が合わさったとき見える景色とは!?

湊かなえ著 集英社 1,980円(税込)

晴れの日の木馬たち

病に倒れた最愛の父を支えるため、倉敷紡績で働く少女すてら。社長の大原孫三郎の知遇を得、贈られた雑誌〈白樺〉でゴッホの絵を見て心打たれ、「ゴッホが絵を描いたように小説を書く」と、自身の道を定める。衝撃的な出来事をきっかけに岡山を去ることになったすてらは、東京へと向かい…。星という輝ける名前を与えられた少女が、数奇な運命に導かれ、明治・大正を生きる!

原田マハ著 新潮社 2,310円(税込)

豊臣兄弟 天下を獲った処世術

バックグラウンドがない状態から天下人となった豊臣秀吉。その「分身」として結果を出し続けた弟の秀長。衰退する今の日本では、ゼロから一を作り出した豊臣兄弟の生涯が参考になる。前半生が謎に包まれている「セミの兄弟」の実像に史料と最新研究をもとに迫る。

磯田道史著 文藝春秋 1,045円(税込)