晩節遍路 吉原裏同心39

吉原会所の裏同心神守幹次郎にして八代目頭取四郎兵衛は、九代目長吏頭に就任した十五歳の浅草弾左衛門に面会した。そして吉原乗っ取りを目論む西郷三郎次忠継が弾左衛門屋敷にも触手を伸ばしていることを知る。一方、切見世で起きた虚無僧殺しの背後に、吉原をともに支えてきた重要人物がいることに気づく幹次郎。覚悟を持ち、非情なる始末に突き進んでいく。

神様の御用人 継いでゆく者

『神様の御用人』の魅力がたっぷり詰まった一冊!御用人である萩原敏益のもとを訪れたのは子どもの姿をした神様・久久紀若室葛根神。時代と共に力を削がれ失った、かつての姿を取り戻したいという御用を告げられて…。良彦の祖父・敏益の生前最期の御用を描いた表題作「継いでゆく者」をはじめ、書き下ろし番外編小説を3本収録!第10巻のその後、良彦や黄金たちの御用や日常も明らかに。そして登場人物たちのプロフィールや、読者からのQ&Aなど、初公開情報が詰まった「神様の御用人 回顧録」も収録。ファン必携の一冊!

准教授・高槻彰良の推察9

4月。尚哉は3年生に進級し、友人の難波と共に高槻ゼミの一員となった。他の男子学生達を交えて、5人でグループ発表を一緒にやることに。動画サイトで話題の「幽霊トンネル」を題材にしようと現地に赴くも、怪しい現象は起きなかった。しかし帰り際、尚哉は耳元で「どうして」という女の声を聞き―!?高槻をマークしている警視庁捜査一課・異質事件捜査係の動きも不穏さを増し、凸凹コンビに新たな魔の手が迫る第9弾!

わたしの幸せな結婚

名家に生まれた美世は、実母が早くに儚くなり、継母と義母妹に虐げられて育った。嫁入りを命じられたと思えば、相手は冷酷無慈悲と噂の若き軍人、清霞。大勢の婚約者候補たちが三日と持たずに逃げ出したという悪評の主だった。斬り捨てられることを覚悟して久堂家の門を叩いた美世の前に現れたのは、色素の薄い美貌の男。初対面で辛く当たられた美世だけれど、実家に帰ることもできず日々料理を作るうちに、少しずつ清霞と心を通わせていく―。これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。

やさしさを忘れぬうちに

「いつか」なんて待たずに、すぐ会いに行けばよかった―。娘に結婚を許してやれなかった父、バレンタインチョコを渡せなかった女、離婚した両親に笑顔を見せたい少年、名前のない子供を抱いた妻…未来に向かって歩みだすために、過去に戻る4人の勇気の物語。

月と散文

センチメンタルが生み出す攻撃力、ナイーブがもたらす激情。いろいろ失くなってしまった日常だけれど、窓の外の夜空に月は出ていて、書きかけの散文だけは確かにあった―― 16万部超のベストセラー『東京百景』から10年。又吉直樹の新作エッセイ集が待望の発売!

チンギス紀 十六 蒼氓

ホラズム国の皇子が大軍を率いてチンギス・カンとの一大決戦に臨む!カラ・クム砂漠の戦場からホラズム軍が離脱する。チンギス・カンは、スブタイとジェべ、バラ・チェルビの三人の将軍にその追討を命じた。ホラズム国の帝は西へと退却しながらも、モンゴル軍との戦を継続する。スブタイらは敵の誘いに乗ることを決断した。一方、ホラズム国の皇子ジャラールッディーンは、南の地で2万騎の指揮を任された。モンゴル国の将軍シギ・クトクがその討伐に向かう。皇子は原野に本営を置き、ジャムカの息子マルガーシもそこにいた。皇子が初めて大軍を率いてモンゴル軍との戦いに挑む。大国との戦いがついに最終局面をむかえる、好評第16巻。

恋とそれとあと全部

片想い男子とちょっと気にしすぎな女子。二人は友達だけど、違う生き物。一緒に過ごす、夏の特別な四日間。めえめえ(瀬戸洋平)は下宿仲間でクラスメイトの女子サブレ(鳩代司)に片想いをしている。告白もしていないし、夏休みでしばらく会えないと思っていた。そのサブレが目の前にいる。サブレは夏休み中に遠方にあるじいちゃんの家に行くのだが、それはある“不謹慎な”目的のためだった。「じゃあ一緒に行く?」「うん」思いがけず誘われためえめえは、部活の休みを利用してサブレと共にじいちゃんの家を目指す。夜行バスに乗って、二人の“不謹慎な”そして特別な旅が始まる―。

住野よる著 文藝春秋 1,595円(税込)