カケラ

美容外科医の橘久乃は幼馴染みの志保から「痩せたい」という相談を受ける。カウンセリング中に出てきたのは、太っていた同級生・横網八重子の思い出と、その娘の有羽が自殺したという情報だった。少女の死をめぐり、食い違う人びとの証言と、見え隠れする自己正当化の声。有羽を追いつめたものは果たしていったい―。周囲の目と自意識によって作られる評価の恐ろしさを描くミステリー長編。

湊かなえ著 集英社 726円(税込)

署長シンドローム

大森署を長年にわたり支えてきた竜崎伸也が去った。新署長として颯爽とやってきたのは、またもキャリアの藍本小百合。そんな大森署にある日、羽田沖の海上で武器と麻薬の密輸取引が行われるとの報が!テロの可能性も否定できない、事件が事件を呼ぶ国際的な難事件に、隣の所轄や警視庁、さらには厚労省に海上保安庁までもが乗り出してきて、署内はパニック寸前!?藍本は持ち前のユーモアと判断力、そしてとびきりの笑顔で懐柔していくが…。戸高や貝沼ら、お馴染みの面々だけでなく、特殊な能力を持つ新米刑事・山田太郎も初お目見え。さらにはあの人物まで…!?

今野敏著 講談社 1,870円(税込)

なんでもソーダ割り

これは僕にとって「自分探しの旅」だった。どうしても会いたかった14人+1人との、かなり濃いめの対談集。週刊誌AERAの人気連載、待望の書籍化。

井口理著 朝日新聞出版 2,200円(税込)

地図と拳

「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野…。奉天の東にある“李家鎮”へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。第168回直木賞、第13回山田風太郎賞受賞作。

小川哲著 集英社 2,420円(税込)

徳川家康弱者の戦略

家康は最初から天下を目指したわけではなかった。戦国一の激戦地域に生まれ、頼みの今川義元はまさかの戦死、織田信長との同盟は過酷を極め、最強の信玄軍団には攻められる。家康の人生は厳しい選択の連続だった。豊富な史料から、逆境に学び続けた「天下人」の実態に迫る。

磯田道史著 文藝春秋 880円(税込)

薬屋のひとりごと 13

西都に残る人たちと別れ、一年ぶりに中央に帰ってきた猫猫たちは、また以前の仕事に戻る。蝗害、西都のお家騒動からようやく離れることができて、平穏な日々が戻ってくるかに思えたが―。猫猫が帰って来てもまだその友人たちに居候されて困る羅半。上司のげんこつを食らいながら、毎日おもしろそうなものを探す天祐。面倒くさい客の相手をしながら、どのように技女を引退するかを考える女華。弟の恋についてあれこれ画策する麻美。お嬢さまの心境に不安しかない燕燕。言動と心境にずれが生じ、ちぐはぐな行動ばかりしてしまう姚。蝗害の災禍にたった一人立ち向かい、生きて西都に戻った羅半兄。西都でも中央でもそれぞれ違う人生があり、皆が皆、自分なりの悩みを抱えて生きていた。

日向夏著 主婦の友インフォス 770円(税込)

流人道中記 上下

万延元年(一八六〇年)。姦通の罪を犯した旗本・青山玄蕃に奉行所は切腹を言い渡す。だがこの男の答えは一つ。「痛えからいやだ」。玄蕃は蝦夷松前藩へ流罪となり、押送人の見習与力・石川乙次郎とともに奥州街道を北へと歩む。口も態度も悪く乙次郎を悩ませる玄蕃だが、道中行き会う事情を抱えた人々を、決して見捨てぬ心意気があった。

上巻 浅田次郎著 中央公論新社 858円(税込)
下巻 浅田次郎著 中央公論新社 858円(税込)

シャイロックの子供たち

ある町の銀行の支店で起こった、現金紛失事件。女子行員に疑いがかかるが、別の男が失踪…!?“たたき上げ”の誇り、格差のある社内恋愛、家族への思い、上らない成績…事件の裏に透ける行員たちの人間的葛藤。銀行という組織を通して、普通に働き、普通に暮すことの幸福と困難さに迫った傑作群像劇。

池井戸潤著 文藝春秋 770円(税込)

オフマイク

継続捜査を担当する黒田は同期から20年前の大学生の自殺について聞かされる。その死に大物政治家の贈収賄が関わっているという。同じくこの事件を追う「ニュースイレブン」の報道記者・布施の情報から、黒田はカギとなる人物はIT長者の藤巻だと目算する。一方、番組キャスターの香山が突然の失踪。その背後にはテレビ業界や警察組織でさえも迂闊に手を出せない、闇が―。シリーズ第5弾。

今野敏著 集英社 902円(税込)