またあおう

お江戸は日本橋。長崎屋の跡取り息子、若だんなこと一太郎の周りには、愉快な妖たちが沢山。そんな仲間を紹介しようとして楽しい騒動が起きる「長崎屋あれこれ」、屏風のぞきや金次らが『桃太郎』の世界に迷い込む「またあおう」、若だんなが長崎屋を継いだ後のお話で、妖退治の高僧・寛朝の形見をめぐる波乱を描く「かたみわけ」など豪華5編を収録した、文庫でしか読めない待望のシリーズ外伝。

畠中恵著 新潮社 649円(税込)

ナナメの夕暮れ

恥ずかしくてスタバで「グランデ」を頼めない。ゴルフに興じるおっさんはクソだ!―世の中を常に“ナナメ”に見てきた著者にも、四十を前にしてついに変化が。体力の衰えを自覚し、没頭できる趣味や気の合う仲間との出会いを経て、いかにして世界を肯定できるようになったか。「人見知り芸人」の集大成エッセイ。

若林正恭著 文藝春秋 759円(税込)

キンモクセイ

法務官僚殺害の容疑者として、アメリカ人の殺し屋の可能性が浮上。警察庁警備局警備企画課のキャリア・隼瀬順平は、専任チームでの対処を上司から命じられるが…。「キンモクセイ」とは何か?誰が味方で敵なのか?警察インテリジェンス小説の傑作。

今野敏著 朝日新聞出版 792円(税込)

愛に始まり、愛に終わる

「人は愛するために生れてきたのです。」瀬戸内寂聴さん、もうすぐ、御年99歳。愛とは、孤独とは、覚悟とは――。本書では、「愛」のほか、「生」「業」「無常」「老」「死」などをテーマに、新聞や雑誌での連載やインタビュー、法話から、胸に響く言葉を厳選。柔らかな笑顔で人々を励まし、救ってきた寂聴さんの人生哲学が詰まった、108点のメッセージを掲載しています。悩みたくなければ、愛さなければいい。それでもなお、私たちは愛さずにはいられません。しんどいとき、さびしいとき、前を向けないとき――。寂聴さんの言葉が、きっと、あなたの「心の栄養」になります。

瀬戸内寂聴著 宝島社 1,540円(税込)

このミステリーがすごい!2022年版

33年の信頼と実績を誇る、新作ミステリーランキングブックです。巻頭には、2021年最も注目された作家のひとりである加藤シゲアキさんへのインタビューを収録。ほかにも、・米澤穂信さん作家生活20周年記念インタビュー&陸秋槎さんとの特別対談・令和の館ミステリーの書き手(今村昌弘さん・岡崎琢磨さん・斜線堂有紀さん・知念実希人さん・方丈貴恵さん)が集う座談会・声優・斉藤壮馬さんと作家・青崎有吾さんの同世代対談・読書会「闇の自己啓発会」が選ぶ「闇のミステリー」選など、2021年のミステリーを振り返る企画が盛りだくさん。各業界人も注目する2021年の国内&海外のミステリー小説ランキング・ベスト20、超人気作家による自身の新刊情報&特別エッセイなど、例年の人気コンテンツも充実の一冊です。

探偵はもう、死んでいる。6

名探偵の私・シエスタと助手・君塚君彦の出会いは、地上一万メートルの上空、ハイジャックされた飛行機―ではない。「あなたには、日本へ行ってもらいたいのです」本当の始まりは四年前、“連邦政府”から受けたあるスパイの捜索依頼。日本に飛んだ私が加瀬風靡の協力を得て彼の関係者との接触を図ると―「ちょうどいい、お前も覚えておけ。その腹立たしいクソガキの名前は―」ねぇ、助手。どうして私が君を旅に誘ったのか、不思議に思ったことはない?今から語られるのは、三年にわたる目も眩むような冒険劇を繰り広げた君ですら知らない、私だけの秘密。あの遥かな空の出会いに至るまでの、真の始まりを描く前日譚。

二語十著 KADOKAWA 726円(税込)

愛なき世界 上・下

上巻 恋愛・生殖に興味ゼロの院生・本村紗英に、洋食屋の見習い・藤丸陽太が恋をした。殺し屋のような教授、サボテン一筋の後輩男子に囲まれ、本村は愛しい葉っぱの研究に没頭中。実験やイモ掘り会に潜り込む藤丸の想いは花開くのか。「知りたい」という情熱を宿す人々の愛とさびしさが心を射る長編。(全二巻)。特別付録「藤丸くんに伝われ 植物学入門(上)

葉っぱの実験をこつこつと続ける院生・本村紗英を、どん底に叩き落とした大失敗。研究仲間(変人集団)も戸惑うなか、窮地に光を投げかけたのは料理人・藤丸の反応で―。人生も、実験も、筋書きがないから面白い。世界の隅っこが輝き出す日本植物学会賞特別賞受賞作。(全二巻)。特別付録「藤丸くんに伝われ 植物学入門(下)

新版 日本国紀 上・下

上巻 神話とともに誕生し、万世一系の天皇を中心に独自の発展を遂げてきた、私たちの国・日本。聖徳太子、平清盛、北条時宗、織田信長ら最重要人物を“一本の線”でつなぐことで国家の変遷を浮き彫りにすると同時に、大伴部博麻、荻原重秀など、重要な脇役にも焦点を当てる。当代一のストーリーテラーによる日本通史の決定版。(古代~幕末までを収録)

下巻 黒船来航により、二百六十五年にもわたる江戸時代が終わりを告げた。明治維新というかつてない劇的な変革により近代化した日本は、日清・日露戦争を経て、維新より半世紀後、ついに世界の列強と肩を並べるが―。教科書が教えない、知られざる史実と感動の歴史秘話が満載。ベストセラー作家による壮大なる日本通史、大幅加筆により待望の文庫化!

海をあげる

おびやかされる、沖縄での美しく優しい生活。幼い娘を抱えながら、理不尽な暴力に直面してなおその目の光を失わない著者の姿は、連載中から大きな反響を呼んだ。ベストセラー『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』から3年、身体に残った言葉を聞きとるようにして書かれた初めてのエッセイ集。

上間陽子著 筑摩書房 1,760円(税込)