一次元の挿し木

ヒマラヤ山中で発掘された二百年前の人骨。大学院で遺伝人類学を学ぶ悠がDNA鑑定にかけると、四年前に失踪した妹のものと一致した。不可解な鑑定結果を担当教授の石見崎に相談しようとした矢先、石見崎は何者かに殺害された。古人骨を発掘した調査員も襲われ、研究室から古人骨も盗まれた。悠は妹の生死と、古人骨のDNAの真相を突き止めるべく動き出すが、予想もつかない大きな企みに巻き込まれていく―。2025年第23回『このミステリーがすごい!』大賞文庫グランプリ受賞作。

松下龍之介著 宝島社 900円(税込)

木挽町のあだ討ち

雪の夜、木挽町の芝居小屋の裏手で、菊之助なる若衆が果たした見事な仇討。白装束を血に染めて掲げたるは父の仇、作兵衛の首級。二年後。目撃者を訪ねる武士が現れた。元幇間、立師、衣装部屋の女形…。皆、世の中で居場所を失い、悪所に救われた者ばかり。「立派な仇討」と語られるあの夜の〈真実〉とは。人の情けと驚きの仕掛けが、清々しい感動を呼ぶ直木賞・山本周五郎賞受賞作品。

永井紗耶子著 新潮社 781円(税込)

アナヅラさま

顔にぽっかり穴の空いたバケモノが人を攫って、穴の中に呑み込んでしまう。バケモノの名は「アナヅラさま」。―ある地方都市で女性が相次いで行方不明になるなか、そんな噂が囁かれるようになった。行方不明者の捜索依頼を受けた探偵・小鳥遊穂香は、都市伝説の裏に連続殺人鬼がいると睨み、調査を進めるが…。一方、「アナヅラさま」と呼ばれる一連の事件の犯人は、想定外の事態に陥っていた。2026年第24回『このミステリーがすごい!』大賞文庫グランプリ受賞作。

四島祐之介著 宝島社 800円(税込)

最後の皇帝と謎解きを

一九二〇年、中国。北京在住で日本人絵師の一条剛は、紫禁城に住む廃帝・溥儀に水墨画の師として雇われた。しかし溥儀には、城に眠る水墨画を贋作にすり替えて真作を秘密裏に売却し、清朝復興のための資金を調達する目的があったのだった―。使用人の宦官のひとりが密室で不審死を遂げた事件を皮切りに、龍の絵に何者かの手で描き加えられていた眼、ある時を境に感情をなくした宦官など、一条はさまざまな謎を少年廃帝とともに解き明かすことになる。立場を超え、ふたりの間には徐々に友情が芽生えていくが…。2026年第24回『このミステリーがすごい!』大賞大賞受賞作。紫禁城で起こる密室殺人事件に溥儀と日本人絵師が挑む!身分も国も超えた人々の友情×歴史ミステリー。

犬丸幸平著 宝島社 1,760円(税込)

謎の香りはパン屋から

大学一年生の市倉小春は漫画家を目指しつつ、大阪府豊中市にあるパン屋“ノスティモ”でアルバイトをしていた。あるとき、同じパン屋で働いている親友の由貴子に、一緒に行くはずだったライブビューイングをドタキャンされてしまう。誘ってきたのは彼女のほうなのにどうして?疑問に思った小春は、彼女の行動を振り返り、意外な真相に辿りつく…。パン屋を舞台とした“日常の謎”連作ミステリー!2025年第23回『このミステリーがすごい!』大賞 大賞受賞作。

土屋うさぎ著 宝島社 1,650円(税込)

ファラオの密室

紀元前14世紀、古代エジプト。死んでミイラにされた神官のセティは、心臓に欠けがあるため、冥界へ行く審判を受けることができない。欠けた心臓を取り戻すために地上に舞い戻ったが、期限は3日。なぜ心臓が欠けたのか―。セティは死の真相を探るうち、密室状態のピラミッドから先王のミイラが消失するという大事件に直面する。タイムリミットが迫るなか、セティはミイラ消失事件の謎を解き明かせるか!?第22回『このミステリーがすごい!』大賞大賞受賞作。

白川尚史著 宝島社 840円(税込)

このミステリーがすごい! 2025年版

36年の信頼と実績を誇る、新作ミステリーランキングブックです。表紙&巻頭では漫画『【推しの子】』を特集。作品の完結を祝し、赤坂アカ氏にお話をうかがいました。更に、デビュー20周年を記念した辻村深月氏×湊かなえ氏道尾秀介氏×加藤隆生氏(SCRAP代表)の二大対談では、ミステリーの過去・今・未来についてたっぷり語っていただいています。ゲーム×ミステリーも特集。「かまいたちの夜」我孫子武丸氏、「Fate/Stay night」奈須きのこ氏のインタビュー、「逆転裁判」巧舟氏「ひぐらしのなく頃に」竜騎士07氏「ダンガンロンパ」小高和剛氏のコラムどでゲームとミステリーの歴史をひもときます。各業界人も注目する2024年の国内&海外のミステリー小説ランキング・ベスト20、超人気作家による自身の新刊情報&特別エッセイなど、例年の人気コンテンツも充実の一冊です。

『このミステリーがすごい!』編集部編 宝島社 900円(税込)

境界線

『護られなかった者たちへ』を超える慟哭--。 戸籍売買の闇を描く社会派ミステリー! 女性の遺体が発見された。身分証から、七年前の東日本大震災で行方不明になっていた人物であることが判明した。名前は笘篠奈津美。宮城県警捜査一課警部・笘篠誠一郎の妻だった。笘篠は遺体の待つ現場へ急ぐ。しかし、目にしたのは妻とはまったくの別人だった。 笘篠は妻を騙られた怒りを抱えながら個人情報の流出経緯と遺体の身元を探る。 しかし、さらに事件が起こりーー。

中山七里著 宝島社 900円(税込)

おわかれはモーツァルト

盲目のピアニストが殺人事件の容疑者に? 友人のピンチに天才ピアニスト・岬洋介が駆けつける! 累計175万部突破の“音楽ミステリー”シリーズ! 友人のピアニスト・榊場を助けるため、岬洋介が活躍する『おわかれはモーツァルト』が待望の文庫化です。 盲目ながらショパン・コンクールで2位に入賞したピアニストの榊場隆平は、クラシック界の話題を独占し人気を集めていた。しかし、「榊場の盲目は芝居ではないか」と絡んでいたフリーライターが銃殺され、榊場は一転犯人として疑われることに。そんな友の窮地を救うべく、榊場と同様、ショパン・コンクールのファイナルに名を連ねたあの男がやって来て……。

中山七里著 宝島社 790円(税込)