フェイクフィクション

都下の路上で首無し死体が発見され、刑事の鵜飼は現場に急行、地取り捜査を開始する。司法解剖の結果、「斬首」により殺害されていた事が判明。一方、プロキックボクサーだった河野潤平は引退後、都内の製餡所で働いていた。職場の新人・美祈に一目惚れするが、美祈が新興宗教「サダイの家」に関係していると知り…。純粋な信仰心の向かう先にあるものとは。センセーショナルな長編小説。

誉田哲也著 集英社 1,100円(税込)

辻番奮闘記 六 離任

平戸藩士斎弦ノ丞は、江戸の辻番として、将軍家光への襲撃を阻止するなどの功を挙げ出世。だが、同僚の反感を買い国元へ帰された。長崎でも、島原の乱後に増えた牢人らを取り締まる辻番となる。その頃江戸では、家光と老中松平伊豆守が、目障りな大老の排除を画策し始めていた。伊豆守は、平戸前藩主が起こした密貿易事件を利用し、有能な弦ノ丞を使おうと…。藩への忠義に生きる若き剣豪の活躍。

上田秀人著 集英社 792円(税込)

N

「本書は6つの章で構成されていますが、読む順番は自由です。はじめに、それぞれの章の冒頭部分だけが書かれています。読みたいと思った章を選び、そのページに移動してください。物語のかたちは、6×5×4×3×2×1=720通り。読者の皆様に、自分だけの物語を体験していただければ幸いです。/著者より」未知の読書体験を約束する、前代未聞の一冊!この物語をつくるのは、あなたです。

道尾秀介著 集英社 990円(税込)

塞王の楯 上下

2021年 第166回 直木賞受賞

幼い頃、落城によって家族を喪った石工の匡介。彼は「絶対に破られない石垣」を造れば、世から戦を無くせると考えていた。一方、戦で父を喪った鉄砲職人の彦九郎は「どんな城も落とす砲」で人を殺し、その恐怖を天下に知らしめれば、戦をする者はいなくなると考えていた。秀吉が死に、戦乱の気配が近づく中、琵琶湖畔にある大津城の城主・京極高次は、匡介に石垣造りを頼む。攻め手の石田三成は、彦九郎に鉄砲作りを依頼した。大軍に囲まれ絶体絶命の大津城を舞台に、信念をかけた職人の対決が幕を開ける。ぶつかり合う、矛楯した想い。答えは戦火の果てに―。「最強の楯」と「至高の矛」の対決を描く、圧倒的戦国小説!

今村翔吾著 集英社 上880円(税込)
今村翔吾著 集英社 下880円(税込)

なぜ働いていると本が読めなくなるのか

「大人になってから、読書を楽しめなくなった」「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」…そのような悩みを抱えている人は少なくないのではないか。「仕事と趣味が両立できない」という苦しみは、いかにして生まれたのか。自らも兼業での執筆活動をおこなってきた著者が、労働と読書の歴史をひもとき、日本人の「仕事と読書」のあり方の変遷を辿る。そこから明らかになる、日本の労働の問題点とは?すべての本好き・趣味人に向けた渾身の作。

三宅香帆著 集英社 1,100円(税込)

野心 ボーダーズ3

警部補由宇は詐欺容疑者追跡中、爆破強奪事件に遭遇し負傷。後日、容疑者が射殺され……。ガラスの天井に挑む刑事の苦悩と活躍。書き下ろし警察小説シリーズ第3弾。

堂場瞬一著 集英社 1,155円(税込)

これは経費で落ちません!経理部の森若さん11

結婚に向けて、本格的に動き始めた沙名子と太陽。いまは東京と大阪で別々に暮らしているが、太陽の転勤任期は期限付きで二年か三年。結婚したら一緒に暮らすことになる。しかし一緒に生活をするとなると、決めなければならないことがあまりに多い。交際は順調な沙名子と太陽だったが、食い違うことも多く沙名子の不安は積み重なっていく。年始の休みを利用して、お互いの実家へと両親に挨拶に行くことになったのだが……? 仕事は続けるのか、家事はどう分担するか、婚約指輪や結婚指輪買うのか、結婚式は挙げるのか、どちらが名字を変えるのか、などなど。沙名子は結婚へと向けてタスク表をつくってひとつずつ処理していこうとするのだが……結婚準備は大変すぎる

青木祐子著 集英社 693円(税込)

心淋(うらさび)し川

江戸、千駄木町の一角を流れる、小さく淀んだ心淋し川。そこで生きる人々も、人生という川のどん詰まりでもがいていた―。悪戯心から張形に仏像を彫りだした、年増で不美人な妾のりき。根津権現で出会った子供の口ずさむ唄に、かつて手酷く捨てた女のことを思い出す飯屋の与吾蔵。苦い過去を隠し、長屋の住人の世話を焼く差配の茂十…。彼らの切なる願いが胸に深く沁みる、第164回直木賞受賞作。

西條奈加著 集英社 704円(税込)

ハヤブサ消防団

連続放火事件に隠された―真実。東京での暮らしに見切りをつけ、亡き父の故郷であるハヤブサ地区に移り住んだミステリ作家の三馬太郎。地元の人の誘いで居酒屋を訪れた太郎は、消防団に勧誘される。迷った末に入団を決意した太郎だったが、やがてのどかな集落でひそかに進行していた事件の存在を知る―。

池井戸潤著 集英社 1,925円(税込)