二枚の絵 柳橋の桜 三

柳橋で評判をとった娘船頭の桜子。父・広吉の身を襲った恐ろしい魔の手から逃れるため、大河内道場の棒術の師匠・小龍太とともに江戸から姿を消した。異国船で出会ったカピタン、その娘の杏奈と接し、初めての食べ物や地球儀に柳橋を遠く感じる二人は、磨きぬいた棒術で心身を整える。そんな中、プロイセン人の医師に招かれた長崎の出島で、二枚の絵を見た桜子はあまりの衝撃に涙を止められない―オランダ人の絵描きコウレルと柳橋の桜子。その不思議な縁とは?

佐伯泰英著 文芸春秋 880円(税込)

昨日がなければ明日もない

若い主婦が自殺未遂をして音信不通となった。その裏で起きていた陰惨な事件とは?(絶対零度)。近所に住む主婦の依頼で出かけた結婚披露宴で、杉村は思わぬ事態に遭遇する(華燭)。ある奔放な女性が持ち込んできた、「子供の命がかかっている」問題とは?(表題作)。探偵vs.ちょっと困った女たちの事件簿。

宮部みゆき著 文藝春秋 902円(税込)