教場 X

伝説の刑事指導官・風間公親の右目が光を失った。かつて逮捕した男に逆恨みされ、千枚通しで襲撃されたのだ。その後、T県内では連続刺傷事件が起きているが、犯人は逃亡中だ。復帰した風間は、現場で厳しい指導を続ける。失格の烙印を押された新人刑事は「交番勤務」に逆戻りだ。母親を失った少女の息づかい、生まれたばかりの乳児の火傷痕、放射線を観測する「キリバコ」―風間は、難事件の真相を完全に見通している。月9ドラマ「風間公親―教場0―」原作にして、風間に警察官人生最大の転機が訪れるシリーズ第五弾。

長岡弘樹著 小学館 858円(税込)

教場 2

怪物じみた切れ者刑事は、なぜ教官に転じたのか?君には、警察学校を辞めてもらう。“退校”宣告から執行までのタイムリミットは一週間。風間教場に編入された不運を呪いながら、己と闘え。大ヒット警察小説、新章突入!

長岡弘樹著  小学館  1620円(込)

傍聞き

患者の搬送を避ける救急隊員の事情が胸に迫る「迷走」。娘の不可解な行動に悩む女性刑事が、我が子の意図に心揺さぶられる「傍聞き」。女性の自宅を鎮火中に、消防士のとった行為が意想外な「899」。元受刑者の揺れる気持ちが切ない「迷い箱」。まったく予想のつかない展開と、人間ドラマが見事に融合した4編。表題作で08年日本推理作家協会賞短編部門受賞。

長岡弘樹著    双葉社   550円(込)