爆弾

自称・スズキタゴサク。取調室に捕らわれた冴えない男が、突如「十時に爆発があります」と予言した。直後、秋葉原の廃ビルが爆発。爆破は三度、続くと言う。ただの“霊感”だと嘯くタゴサクに、警視庁特殊犯係の類家は情報を引き出すべき知能戦を挑む。炎上する東京。拡散する悪意を前に、正義は守れるか。

呉勝浩著 講談社 1,067円(税込)

晴れの日の木馬たち

病に倒れた最愛の父を支えるため、倉敷紡績で働く少女すてら。社長の大原孫三郎の知遇を得、贈られた雑誌〈白樺〉でゴッホの絵を見て心打たれ、「ゴッホが絵を描いたように小説を書く」と、自身の道を定める。衝撃的な出来事をきっかけに岡山を去ることになったすてらは、東京へと向かい…。星という輝ける名前を与えられた少女が、数奇な運命に導かれ、明治・大正を生きる!

原田マハ著 新潮社 2,310円(税込)

豊臣兄弟 天下を獲った処世術

バックグラウンドがない状態から天下人となった豊臣秀吉。その「分身」として結果を出し続けた弟の秀長。衰退する今の日本では、ゼロから一を作り出した豊臣兄弟の生涯が参考になる。前半生が謎に包まれている「セミの兄弟」の実像に史料と最新研究をもとに迫る。

磯田道史著 文藝春秋 1,045円(税込)

新しい花が咲く ぼんぼん彩句

寿退社後に婚約破棄されたアツコが行く当てもなく乗ったバスの終点で見たもの。学級閉鎖で留守番中のアタル君が巻き込まれた不思議な事件。自殺同然の事故で兄を亡くした妹が、偶然出会った中学生。俳句から着想を得て生まれた物語は、十七音の枠を超え、色彩豊かな無限の世界へ広がってゆく。人生の機微を掬い取るように描く、怖くて、切なくて、涙を誘う、極上の短編集。『ぼんぼん彩句』改題。

宮部みゆき著 新潮社 935円(税込)

血脈のナイトメア 天久鷹央の事件カルテ

心臓移植を受けた医学生・北川彰二は手術後、心当たりのない「記憶」を毎日夢にみるようになった。それも見知らぬ森の中で誰かに襲われ、頭を殴られる夢を。「臓器の記憶」の謎に興味をもった天久鷹央は小鳥遊優とともに調査を始めるが、心臓のドナーは暴力団の若頭だったことが発覚し…。果たして、人間の記憶は脳以外にも宿るのか?現役医師が描く本格医療ミステリー!

知念実希人著 実業之日本社 880円(税込)

三河雑兵心得 17 関ケ原仁義 下

ついに東軍総大将の徳川家康が着陣した。戦功を競う猛将たちを抑えるのに四苦八苦だった茂兵衛は、その勇姿に胸をなで下ろす。一方、西軍では石田三成が二万の兵を率い、大垣城を発って関ケ原へと進軍。いよいよ、決戦の舞台が整った。そんな折、茂兵衛は井伊直政から、家康の四男に抜け駆けで先陣を切らせたいと耳打ちされる。東軍の先鋒は福島正則。激怒されるのは必至で、ひとつ間違えば戦意の乱れから総崩れにもなりかねぬ危うい策に、茂兵衛は頭を抱える。戦国足軽出世物語、天下分け目の第十七弾!

井原忠政著 双葉社 770円(税込)

失われた貌

山奥で、顔を潰され、歯を抜かれ、手首から先を切り落とされた死体が発見された。不審者の目撃情報があるにもかかわらず、警察の対策が不十分だという投書がなされた直後の出来事だった。事件報道後、生活安全課に一人の小学生が訪ねて来て、死体は「自分のお父さんかもしれない」と言う。彼の父親は十年前に行方不明になり、失踪宣告を受けていた。彼は、身元不明の死体が発見されると、同じ確認をしに警察を訪れているという。無関係に見えた出来事が絡み合い、現在と過去を飲み込んで、事件は思いがけない方向へ膨らみ始める。

櫻田智也著 新潮社 1,980円(税込)