野火、奔る

評判の小間物問屋『遠野屋』の看板商品の原料・紅餅を積んだ船が消息を絶ち、遠野屋の奉公人にも不審な手が忍び寄る。遠野屋主の清之介は最大の窮地に、最も頼りたくない相手、北町奉行所定町廻り同心の木暮信次郎に頭を下げる。遠野屋の危機と、信次郎たちが追う殺しの線が繋がったとき、衝撃の真相が露わに―。一二一万部突破の人気シリーズ、待望の第十二弾!

あさのあつこ著 光文社 880円(税込)

鑑定人氏家京太郎

民間の科学捜査鑑定所で所長を務める氏家京太郎。彼のもとに舞い込んだのは、世間を騒がす連続殺人事件の鑑定依頼だった。女子大生三人が殺害され子宮を抜き取られるという猟奇的な事件だが、容疑者の那智は二人への殺人は認め、もう一人への犯行は否認している。那智が三人を殺害したとする検察の鑑定結果に違和感を抱く氏家は再鑑定を試みる。しかし、何者かの妨害が相次いで起きて―。驚愕の結末が待ち受ける、圧巻の鑑定サスペンス!

中山七里著 双葉社 803円(税込)

その復讐、お預かりします

愛した男に騙され仕事を失った美菜代は、凄腕の復讐屋がいるという噂を聞きつけ、その男、成海慶介の事務所を訪ねる。しかし提示された依頼料は高額で、とても払えない。追い返されても諦めきれない美菜代は成海のもとで働かせて欲しいと頼み込み、押しかけ秘書となるが―。どうしようもない人生の不条理に直面する人々の悲喜交々を描いた、ユーモアと優しさ溢れる復讐劇が新装版となって登場!

原田ひ香著 双葉社 814円(税込)

迷うこころ お勝手のあん 11

一人前の料理人となり、日々仕事へ精進するおやす。紅屋ではとめ吉に料理を教えるために、代わって下働きをする女の子・おせいを新しく雇うこととなった。そんな折、高輪にある東禅寺のイギリスの公使館が襲われた。世情不安が大きくなる中、おやすの長屋を薩摩藩の川路正之進が訪ねてくる。それは夫を亡くしたおあつさんからおやすへの呼び出しであった。おやすは久方ぶりの再会に喜ぶが、もはや故郷に帰ることもできないおあつさんの立場に、胸がふさがれて…。不安な幕末の世を精一杯生きる人々を描く大好評シリーズ第十一弾!

柴田よしき著 角川春樹事務所 770円(税込)

猫の刻参り

江戸は三島屋の次男坊富次郎は、変わり百物語の二代目聞き手。飼い主の恨みを晴らす化け猫、悪党壊滅に挑む河童、懺悔を泣き叫ぶ山姥が登場する数奇な身の上話を聞き捨て、一話ごとに墨絵にしている。一方、兄・伊一郎の縁談を巡って、三島屋は大騒動に巻き込まれてしまう…。狂気に塗れた苦界を生き抜く女と、化生の者どもが織りなす怪奇譚。

宮部みゆき著 新潮社 2,530円(税込)

巡り合い 仕立屋お竜

武芸の師・佐兵衛と再会したお竜は「北条一心流」の皆伝印可を与えられ、武芸者として生きる覚悟を固めた。そんな折、五万石の当主の剣術指南を務めるひたむきな若侍と出会う。その剣の道にかける思いを微笑ましく見守るお竜だったが、ひょんなことから政争に巻き込まれた若侍は、大きな試練に直面する。傑作時代小説第七弾。第12回日本歴史時代作家協会賞文庫書き下ろしシリーズ賞受賞。

岡本さとる著 文藝春秋 825円(税込)

家裁調査官・庵原かのん

少年少女たちは、なぜ罪を犯してしまったのか?その真の原因を探るのが「家裁調査官」である。福岡家裁北九州支部の調査官・庵原かのんは、自転車窃盗、JKビジネス、バイク暴走、女性暴行など数多くの事件に直面していた。当事者である子どもたちの声に耳を傾けるうちに、彼女はそれぞれの事件の“深い根”に気が付き、そして…。心理描写の名手が満を持して放つ、待望の新シリーズ。

乃南アサ著 新潮社 880円(税込)