現代語訳 備前軍記

岡山の戦国時代決定版を令和に改訂!備前国を舞台に繰り広げられた松田、浦上、宇喜多氏の栄枯盛衰がここに―。江戸時代の軍記物語を現代の歴史研究で読み解く。

土肥経平原著・柴田一編著 山陽新聞社 2,200円(税込)

ライオンのおやつ

人生の最後に食べたいおやつは何ですか――若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色のなか、本当にしたかったことを考える。ホスピスでは、毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫はなかなか選べずにいた。――食べて、生きて、この世から旅立つ。すべての人にいつか訪れることをあたたかく描き出す、今が愛おしくなる物語。2020年本屋大賞第2位。

小川糸著 ポプラ社 792円(税込)

背中の蜘蛛

東京・池袋で男の刺殺体が発見された。警視庁池袋署刑事課長の本宮は、捜査の過程で捜査一課長からある密旨を受ける。その約半年後、東京・新木場で爆殺傷事件が起きる。やがて容疑者が浮上するが、捜査に携わる警視庁組織犯罪対策部の植木は、その経緯に違和感を抱く。そしてまた、捜査一課の管理官となった本宮も違和感を覚えていた。捜査の裏に、いったい何があったのか―。

誉田哲也著 双葉社 902円(税込)

シーソーモンスター

バブルに沸く昭和後期。一見、平凡な家庭の北山家では、元情報員の妻宮子が姑セツと熾烈な争いを繰り広げていた。アナログに回帰した近未来。配達人の水戸は、一通の手紙をきっかけに、ある事件に巻き込まれ、因縁の相手桧山に追われる。時空を超えて繋がる二つの物語。「運命」は、変えることができるのか―。創作秘話を明かすあとがき収録。

伊坂幸太郎著 中央公論新社 924円(税込)

駅の名は夜明 軌道春秋Ⅱ

妻の介護に疲れ、行政の支援からも見放された夫は、長年連れ添った愛妻を連れ、死に場所を求めて旅に出る(表題作「駅の名は夜明」)。幼い娘を病で失った母親が、娘と一緒に行くと約束したウィーンの街に足を運ぶ。そこで起きた奇跡とは?(「トラムに乗って」)。病で余命いくばくもない父親に、実家を飛び出し音信不通だった息子が会いにいくと…(「背中を押すひと」)。鉄道を舞台に困難や悲しみに直面する人たちの再生を描く九つの物語。大ベストセラー『ふるさと銀河線 軌道春秋』の感動が蘇る。

髙田郁著 双葉社 792円(税込)

赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。

七人の小人と暮らす白雪姫。鏡が映し出すものとは?ブレーメンに行きたいロバ・犬・猫。ハーメルンで遭遇した事件とは?子豚が建てた三つの家。その中で起きたこととは?みんなが知ってる童話の世界で今度は誰が殺された?赤ずきん、再び推理の旅に出る。

青柳碧人著 双葉社 1,540円(税込)

幸福とはなんぞや

すべて成るようにしか成らん。不愉快なことや怒髪天をつくようなことがあってこそ、人生は面白い。死ぬことも怖くないし、貧乏も怖くないし、どん底をくぐり抜けるということはありがたいことだった。生きるとは、老いるとは、死とは、幸福とは……。読めば力が湧く、愛子センセイのメッセージ。

佐藤愛子著 中央公論新社 1,100円(税込)

瓢箪から人生

振り返ってみればなんと幸運な出会いであったか。「これだけはどうしても書いておきたかった」思いもよらぬ人生の悲喜交々と俳句の日々を綴ったエッセイ集。

夏井いつき著 小学館 1,485円(税込)