隠密鑑定秘禄 一 退き口

十一代将軍家斉は、御用の間の書棚で奇妙な書物を発見する。「土芥寇讎記」―諸大名二百数十名の辛辣な評価が記された人事考課表だ。編纂を命じた五代綱吉公は、これをもとに腹心を抜擢したのでは。そう推測した家斉は盤石の政治体制を築くため、綱吉に倣うことを決意する。調査役として白羽の矢を立てられたのは諸国探索経験のある小人目付、射貫大伍。命を懸けた隠密調査が始まった!

上田秀人著 徳間書店 770円(税込)

姑の遺品整理は、迷惑です

郊外の団地で一人暮らしをしていた姑が、突然亡くなった。嫁の望登子は業者に頼むと高くつくからと自力で遺品整理を始める。だが、「安物買いの銭失い」の姑を甘く見ていた。至る所にぎっしりと詰め込まれた物、物、物。あまりの多さに愕然とし、夫を駆り出すもまるで役に立たない。無駄を溜め込む癖を恨めしく思う望登子だが、徐々に姑の知らなかった顔が見えてきて…。誰もが直面する“人生の後始末”をユーモラスに描く「実家じまい」応援小説。

垣谷美雨著 双葉社 715円(税込)

機捜235

渋谷署に分駐所を置く警視庁第二機動捜査隊所属の高丸。公務中に負傷した同僚にかわり、高丸の相棒として新たに着任したのは、白髪頭で風采のあがらない定年間際の男・縞長だった。しょぼくれた相棒に心の中で意気消沈する高丸だが、実は、そんな縞長が以前にいた部署は捜査共助課見当たり捜査班、独特の能力と実力を求められる専門家集団だった…。

今野敏著 光文社 770円(税込)

スイート・ホーム

香田陽皆は、雑貨店に勤める引っ込み思案な28歳。地元で愛される小さな洋菓子店「スイート・ホーム」を営む、腕利きだけれど不器用なパティシエの父、明るい「看板娘」の母、華やかで積極的な性格の妹との4人暮らしだ。ある男性に恋心を抱いている陽皆だが、なかなか想いを告げられず…。さりげない毎日に潜むたしかな幸せを掬い上げた、心にあたたかく染み入る珠玉の連作短編集。

原田マハ著 ポプラ社 770円(税込)

剣持麗子のワンナイト推理

法律相談に運動会(?)に、剣持麗子は今日も眠れない!ドラマ化ヒロイン再登場!連作ミステリー短編集。亡くなった町弁のクライアントを引き継ぐことになってしまった剣持麗子。都内の大手法律事務所で忙しく働くかたわら、業務の合間(主に深夜)に一般民事の相談にも乗る羽目になり…。次々に舞い込む難題を、麗子は朝までに解決できるのか!?

新川帆立著 宝島社 1,540円(税込)

【年鑑2022年版】続々と入荷しています

今がわかる時代がわかる日本地図・世界地図(成美堂出版)、現代用語の基礎知識(自由国民社)、朝日ジュニア学習年鑑(朝日新聞出版)、調べる学習子ども年鑑(岩崎書店)など春の学びにピッタリな1冊をぜひお求めください。

女のいない男たち

「ドライブ・マイ・カー」「イエスタデイ」「独立器官」「シェエラザード」「木野」他全6篇。最高度に結晶化しためくるめく短篇集。

村上春樹著 文藝春秋 748円(税込)

余命10年

20歳の茉莉は、数万人に一人という不治の病にかかり、余命が10年であることを知る。笑顔でいなければ周りが追いつめられる。何かをはじめても志半ばで諦めなくてはならない。未来に対する諦めから死への恐怖は薄れ、淡々とした日々を過ごしていく。そして、何となくはじめた趣味に情熱を注ぎ、恋はしないと心に決める茉莉だったが……。涙よりせつないラブストーリー。

小坂流加著 文芸社 682円(税込)

祝祭と予感

コンクール入賞者ツアーのはざま、亜夜とマサルとなぜか塵が二人の恩師・綿貫先生の墓参りをする「祝祭と掃苔」。菱沼が課題曲「春と修羅」を作曲するきっかけとなった忘れ得ぬ教え子への追憶「袈裟と鞦韆」。幼い塵と巨匠ホフマンの永遠のような出会い「伝説と予感」ほか全6編。最終ページから読む特別オマケ音楽エッセイ集「響きと灯り」付き。

恩田陸著 幻冬舎 627円(税込)