「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」。各界から絶賛の声続々、いまだかつてない青春小説! 中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍、閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。さらにはM-1に挑み、実験のため坊主頭にし、二百歳まで生きると堂々宣言。今日も全力で我が道を突き進む成瀬から、誰もが目を離せない! 話題沸騰、圧巻のデビュー作。
ツミデミック ★直木賞受賞作品
大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。ある日、バイト中に話しかけてきた女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗った。過去の記憶と目の前の女の話に戸惑う優斗は―「違う羽の鳥」。調理師の職を失った恭一は、家に籠もりがち。ある日、小一の息子・隼が遊びから帰ってくると、聖徳太子の描かれた旧一万円札を持っていた。近隣に住む老人からもらったという。翌日、恭一は得意の澄まし汁を作って老人宅を訪れると―「特別縁故者」。渦中の人間の有様を描き取った、心震える全6話。稀代のストーリーテラーが放つ、鮮烈なる犯罪小説集。
バリ山行 ★芥川龍之介賞受賞作品
古くなった建外装修繕を専門とする新田テック建装に、内装リフォーム会社から転職して2年。会社の付き合いを極力避けてきた波多は同僚に誘われるまま六甲山登山に参加する。その後、社内登山グループは正式な登山部となり、波多も親睦を図る気楽な活動をしていたが、職人気質で変人扱いされ孤立しているベテラン社員妻鹿に、危険で難易度の高い登山「バリ山行」に連れて行ってもらうと……。
自由に捕らわれる。
その日、姿夜は琥太郎の遺体を発見した。事故か自殺か、それとも―心ない噂が飛び交う中で、姿夜は高校の先輩・美生心と調査をはじめる。すると、次々に浮かび上がる衝撃の事実。さらに、溢れ出す家族の闇と苦悩。はたして、琥太郎とは何者だったのか。呪縛から抜け出すために、姿夜が下した決断とは?すべては、目を逸らし続けていたあの中に―。
わたしの知る花
犯罪者だと町で噂されていた老人が、孤独死した。部屋に残っていたのは、彼が手ずから咲かせた綺麗な“花”―。生前知り合っていた女子高生・安珠は、彼のことを調べるうちに、意外な過去を知ることになる。淡く、薄く、醜くも、尊い。様々な花から蘇る記憶―。これは、謎めいた老人が描く、愛おしい人生の物語。
本好きの下剋上 ハンネローレの貴族院五年生 1
ローゼマイン様にご相談するのです!『女神の化身』の親友が婚約者を決めるために奔走する、恋愛バトルファンタジー開幕!
暗殺
奈良県で元内閣総理大臣が撃たれ、死亡した。その場で取り押さえられたのは41歳の男性。男は手製の銃で背後から被害者を強襲。犯行の動機として、元総理とある宗教団体との繋がりを主張した―。日本史上最長政権を築いた元総理の殺害という前代未聞の凶行。しかし、この事件では多くの疑問点が見逃されていた。致命傷を与えた銃弾が、未だに見つかっていない。被害者の体からは、容疑者が放ったのとは逆方向から撃たれた銃創が見つかった。そして、警察の現場検証は事件発生から5日後まで行われなかった。警察は何を隠しているのか?真犯人は誰だ?35年前に起きたある未解決事件との繋がりが見えた時、全ての陰謀は白日の下に晒される―。日本を震撼させた実際の事件をモチーフに膨大な取材で描く、傑作サスペンス。
サンショウウオの四十九日
2024年 第171回 芥川賞受賞
同じ身体を生きる姉妹、その驚きに満ちた普通の人生を描く、芥川賞候補作。周りからは一人に見える。でも私のすぐ隣にいるのは別のわたし。不思議なことはなにもない。けれど姉妹は考える、隣のあなたは誰なのか? そして今これを考えているのは誰なのか--三島賞受賞作『植物少女』の衝撃再び。最も注目される作家が医師としての経験と驚異の想像力で人生の普遍を描く、世界が初めて出会う物語。
なぞとき
さぁさぁ、皆で賭けをしようか! 勝者は一つ、望みを叶えて貰えるって! 若だんなと妖の謎解き合戦の始まりだ!! あの屈強な佐助が血だらけになって、犯人は小鬼の鳴家だってぇ? 菓子職人・栄吉の新作あられの味見会は見合い話を掴む場になっちゃうし、若だんなと妖は摩訶不思議な怪異に遭遇、おまけに若だんなは独立する奉公人の世話をしろと命じられちゃった! 若だんなと長崎屋の妖達はすべての謎を解けるの~? シリーズ第23弾!
狐花 葉不見冥府路行
時は江戸。作事奉行・上月監物の屋敷の奥女中・お葉は、度々現れる男に畏れ慄き、死病に憑かれたように伏せっていた。彼岸花を深紅に染め付けた着物を纏い、身も凍るほど美しい顔のその男・萩之介は、この世に居るはずのない男だった--。この騒動を知った監物は、過去の悪事と何か関りがあるのではと警戒する。いくつもの謎をはらむ幽霊事件を解き明かすべく、憑き物落としを行う武蔵晴明神社の宮守・中禪寺洲齋が監物の屋敷に招かれる。謎に秘された哀しき真実とは? 歌舞伎の舞台化のために書き下ろされた、長編ミステリ。