奉還町ラプソディ

山口から岡山に引っ越してきたぼくは、奉還町商店街のまんじゅう屋の息子、あつしと仲良くなった。奉還町は、大政奉還で配られた奉還金をもとに、武士が商売を始めたという歴史のある町だ。そこには、毎日金髪のマネキンたちといっしょにおっかない顔で店の前につったってる「レディースファッションべにや」のおっちゃんや、店であつかうすべての種を育てて観察し、記録をつけている「たねやのノダ」のおばあちゃん、若いころミュージシャンを夢見ていた「沖原整骨院」のじいちゃん先生など、個性的な人だらけで……。子どもたちの目をとおして、お年寄りや彼らの人生を温かく描いた児童文学作品。

村中李衣著 BL出版 1,760円(税込)

黒石(ヘイシ) 新宿鮫Ⅻ

リーダーを決めずに活動する地下ネットワーク「金石」の幹部、高川が警視庁公安に保護を求めてきた。正体不明の幹部“徐福”が、謎の殺人者“黒石”を使い、「金石」の支配を進めていると怯えていた。「金石」と闘ってきた新宿署生活安全課の刑事・鮫島は、公安の矢崎の依頼で高川と会う。その数日後に千葉県で“徐福”に反発した幹部と思しき男の、頭を潰された遺体が発見された。過去十年間の“黒石”と類似した手口の未解決殺人事件を検討した鮫島らは、知られざる大量殺人の可能性に戦慄した―。どこまでも不気味な異形の殺人者“黒石”と、反抗する者への殺人指令を出し続ける“徐福”の秘匿されてきた犯罪と闘う鮫島。“新宿鮫”シリーズ最高の緊迫感で迫る最新第十二作!

大沢在昌著 光文社 1,980円(税込)

老害の人

双六やカルタの製作販売会社・雀躍堂の前社長・戸山福太郎は、娘婿に社長を譲ってからも現役に固執して出勤し、誰彼かまわず捕まえては同じ手柄話をくり返す。彼の仲間も老害の人ばかり。素人俳句に下手な絵をそえた句集を配る吉田夫妻に、「死にたい死にたい」と言い続ける春子など、“老害五重奏”は絶好調。「もうやめてよッ」福太郎の娘・明代はある日、たまりかねて腹の中をぶちまけた。

内館牧子著 講談社 1,760円(税込)

栞と嘘の季節

高校で図書委員をつとめる堀川次郎と松倉詩門。ふたりは図書室の返却本の中に、トリカブトの花の栞を見つける。校舎裏でトリカブトが栽培されているのも発見し、そしてついには被害者が…。「その栞は自分のものだ」と嘘をついて近づいてきた女子・瀬野とともに、ふたりは真相を追う。殺意の奥にある思いが心を揺さぶる、青春ミステリ長編。

米澤穂信著 集英社 1,815円(税込)

現代語訳 備中兵乱記

昭和62年発行の『新釈 備中兵乱記』を35年ぶりに大改訂。この間に明らかになった研究成果や歴史コラムを盛り込み、備中国の覇者三村氏と毛利の軍勢が激突した「備中兵乱記」と、羽柴秀吉による中国攻めを記した「中国兵乱記」の二つの軍記物語を再編集。野望、謀叛、裏切り渦巻く戦国乱世をなで斬り進む武将たちのたぎる生と死を描く。

加原耕作編著 内池英樹監修 山陽新聞社 2,200円(税込)

月の立つ林で

似ているようでまったく違う、新しい一日を懸命に生きるあなたへ。最後に仕掛けられた驚きの事実と読後に気づく見えない繋がりが胸を打つ、『木曜日にはココアを』『お探し物は図書室まで』『赤と青とエスキース』の青山美智子、最高傑作。

青山美智子著 ポプラ社 1,760円(税込)

ハヤブサ消防団

連続放火事件に隠された―真実。東京での暮らしに見切りをつけ、亡き父の故郷であるハヤブサ地区に移り住んだミステリ作家の三馬太郎。地元の人の誘いで居酒屋を訪れた太郎は、消防団に勧誘される。迷った末に入団を決意した太郎だったが、やがてのどかな集落でひそかに進行していた事件の存在を知る―。

池井戸潤著 集英社 1,925円(税込)

現代語訳 備前軍記

岡山の戦国時代決定版を令和に改訂!備前国を舞台に繰り広げられた松田、浦上、宇喜多氏の栄枯盛衰がここに―。江戸時代の軍記物語を現代の歴史研究で読み解く。

土肥経平原著・柴田一編著 山陽新聞社 2,200円(税込)

赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。

七人の小人と暮らす白雪姫。鏡が映し出すものとは?ブレーメンに行きたいロバ・犬・猫。ハーメルンで遭遇した事件とは?子豚が建てた三つの家。その中で起きたこととは?みんなが知ってる童話の世界で今度は誰が殺された?赤ずきん、再び推理の旅に出る。

青柳碧人著 双葉社 1,540円(税込)