どこにも行けず部屋に閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然、鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先の世界には、似た境遇の7人が集められていた。9時から17時まで。時間厳守のその城で、胸に秘めた願いを叶えるため、7人は隠された鍵を探す―
辻村深月著 ポプラ社 1,944円(込)
株式会社 山田快進堂
旧制中学校に通う15歳の少年コペル君、本名は本田潤一。二年前に銀行の重役であったお父さんを亡くし、今は郊外の小ぢんまりとした家に母親とお手伝いさんと暮らしている。 コペル君はある時、家によく遊びに来る母の弟である叔父さんから一冊のノートを渡される。そこには過去に、叔父さんや友人と話したり、考えたりした、さまざまな出来事が記され、それに対する叔父さんからのメッセージが綴られていた。 天文学、化学、物理学、経済学、英雄譚……叔父さんとの対話を続けるうち、コペル君はものの見方や貧困、差別といった社会の構造、人間関係について学ぶ。 そして、親友たちとの間に“ある事件”を起こしたコペル君は「どう生きるか」について深く問いかけられることになる。
吉野源三郎 原作 羽賀翔一 画 マガジンハウス 1,404円(込)