楽園のカンヴァス

ニューヨーク近代美術館の学芸員ティム・ブラウンは、スイスの大邸宅でありえない絵を目にしていた。MoMAが所蔵する、素朴派の巨匠アンリ・ルソーの大作『夢』。その名作とほぼ同じ構図、同じタッチの作が目の前にある。持ち主の大富豪は、真贋を正しく判定した者に作品を譲ると宣言、ヒントとして謎の古書を手渡した。好敵手は日本人研究者の早川織絵。リミットは七日間―。ピカソとルソー。二人の天才画家が生涯抱えた秘密が、いま、明かされる。

原田マハ著  新潮社  1680円(込)

謎ときはディナーのあとで2

令嬢刑事麗子と風祭警部の前に立ちはだかる事件の数々。執事の影山は、どんな推理で真相に迫るのか。そして、「影山は麗子に毒舌をいつ吐くの?」「二人の仲は、ひょっとして進展するのでは?」「風祭警部は、活躍できるのか?」など、読みどころ満載な上に、ラストにはとんでもない展開が待っていた!?―。

東川篤哉著  小学館  1575円(込)

スティーブ・ジョブズ Ⅰ、Ⅱ

取材嫌いで有名なスティーブ・ジョブズが唯一全面協力した、本人公認の決定版評伝。 未来を創った、今世紀を代表する経営者スティーブ・ジョブズのすべてを描き切った文字どおり、最初で最後の一冊!! 本書を読まずして、アップルもITも経営も、そして、未来も語ることはできない。 アップル創設の経緯から、iPhone iPadの誕生秘話、そして引退まで、スティーブ・ジョブズ自身がすべてを明らかに。本人が取材に全面協力したからこそ書けた、唯一無二の記録。 伝説のプレゼンテーションから、経営の極意まで、ジョブズの思考がたっぷり詰まった内容。ビジネス書、経営書としても他の類書を圧倒する内容。 約3年にわたり、のべ数十時間にもおよぶ徹底した本人や家族へのインタビュー。未公開の家族写真なども世界初公開。 ライバルだったビル・ゲイツをはじめ、アル・ゴア、ルパート・マードック、スティーブ・ウォズニアック、そして後継者のティム・クック…世界的に著名なジョブズの関係者百数十名へのインタビュー、コメントも豊富に。まさに超豪華な評伝。

ウォルター・アイザックソン/著 井口耕二/訳  講談社  各1995円(込)

親鸞 激動篇 上、下

越後に流された親鸞は、生き仏を称する「外道院」に対面することを決意する。──人気小説『親鸞』に続く、世界最大規模の新聞連載小説、ついに単行本化。(下)も発売。

五木寛之著  講談社  各1575円(込)

ジェノサイド

急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。創薬化学を専攻する大学院生・古賀研人は、その不可解な遺書を手掛かりに、隠されていた私設実験室に辿り着く。ウイルス学者だった父は、そこで何を研究しようとしていたのか。同じ頃、特殊部隊出身の傭兵、ジョナサン・イエーガーは、難病に冒された息子の治療費を稼ぐため、ある極秘の依頼を引き受けた。暗殺任務と思しき詳細不明の作戦。事前に明かされたのは、「人類全体に奉仕する仕事」ということだけだった。イエーガーは暗殺チームの一員となり、戦争状態にあるコンゴのジャングル地帯に潜入するが…。

高野和明著  角川書店  1890円(込)

悲しみの効用

 

 

未知の時代を乗り超える反常識のすすめ! 【先の見えない明日を生き延びるための8つの力】 悲しみの効用 世辞の効用 ボケの効用 ホラの効用 おしゃべりの効用 病(やまい)の効用 マンネリの効用 鬱(うつ)の効用

五木寛之 著  祥伝社  1200円(込)

謎解きはディナーのあとで

執事とお嬢様刑事が、6つの事件を名推理!ミステリ界に新たなヒーロー誕生! 主人公は、国立署の新米警部である宝生麗子ですが、彼女と事件の話をするうちに真犯人を特定するのは、なんと日本初!?の安楽椅子探偵、執事の影山です。彼は、いくつもの企業を擁する世界的に有名な「宝生グループ」、宝生家のお嬢様麗子のお抱え運転手です。本当は、プロの探偵か野球選手になりたかったという影山は、謎を解明しない麗子に時に容赦ない暴言を吐きながら、事件の核心に迫っていきます。本格ものの謎解きを満喫でき、ユーモアたっぷりのふたりの掛け合いが楽しい連作ミステリです。

東川篤哉著  小学館  1575円(込)

一刀斎夢録 上、下

大正という新時代に違和感を覚える梶原中尉は、1人の元巡査を訪ねる。その老人こそは新選組最強の剣士でありながら維新の動乱を生き延びた斎藤一であった。龍馬暗殺、会津戦争、近藤勇ら隊士の末路……老人の語りに魅せられた梶原は、実は全ての話が無名の少年隊士・鉄之助につながることに気づく。土方歳三最後の写真を箱館から持ち帰った、寄る辺ない少年と斎藤一との哀しくも凄絶なかかわりとは――。『壬生義士伝(みぶぎしでん)』『輪違屋糸里(わちがいやいとさと)』に続く浅田版新選組の、深い感動に打たれる大作です。

浅田次郎著 文藝春秋  各1680円(込)