事件に対する驚異的な記憶力を持ち、一つの方向へ暴走する捜査班をぎりぎりで引き留める。捜査の最終防衛線=ラストラインを守るいぶし銀のベテラン刑事・岩倉剛。刑事として初めての事件から本庁の追跡捜査係や火災犯捜査係での活躍、さらに結婚式前夜や恋人・実里との出会いなど、岩倉の刑事人生をたどるファン必読の一冊。

株式会社 山田快進堂
事件に対する驚異的な記憶力を持ち、一つの方向へ暴走する捜査班をぎりぎりで引き留める。捜査の最終防衛線=ラストラインを守るいぶし銀のベテラン刑事・岩倉剛。刑事として初めての事件から本庁の追跡捜査係や火災犯捜査係での活躍、さらに結婚式前夜や恋人・実里との出会いなど、岩倉の刑事人生をたどるファン必読の一冊。
「お探し物は、本ですか?仕事ですか?人生ですか?」。仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。自分が本当に「探している物」に気がつき、明日への活力と希望が満ちていく物語。2021年本屋大賞第2位。
江戸は本所亀沢町にある「おけら長屋」には、落語の登場人物のような個性的な住人たちが揃い、今日もお祭り騒ぎだ。ある日、おけら長屋の万造と恋仲である聖庵堂の医師・お満に、長崎留学の話が持ち上がるも、最低三年は長崎で学ぶ必要があると聞き、思い悩む。一方、両親に捨てられたと思っていた万造に母親の手がかりが見つかり、長屋の住人たちは奔走するが…。
「もう、嫌だ!」定職にもつかず浮気と借金を繰り返す亭主の元を飛び出した絵乃は、ひょんなことから離縁の調停を得意とする公事宿「狸穴屋」の手代見習いとなる。そこに舞い込んでくるのは、いずれも家族の“情”がこじれた難題ばかり。果たして絵乃は一人前の公事師となり、自身の離縁も成し遂げられるか!?
美容外科医の橘久乃は幼馴染みの志保から「痩せたい」という相談を受ける。カウンセリング中に出てきたのは、太っていた同級生・横網八重子の思い出と、その娘の有羽が自殺したという情報だった。少女の死をめぐり、食い違う人びとの証言と、見え隠れする自己正当化の声。有羽を追いつめたものは果たしていったい―。周囲の目と自意識によって作られる評価の恐ろしさを描くミステリー長編。
西都に残る人たちと別れ、一年ぶりに中央に帰ってきた猫猫たちは、また以前の仕事に戻る。蝗害、西都のお家騒動からようやく離れることができて、平穏な日々が戻ってくるかに思えたが―。猫猫が帰って来てもまだその友人たちに居候されて困る羅半。上司のげんこつを食らいながら、毎日おもしろそうなものを探す天祐。面倒くさい客の相手をしながら、どのように技女を引退するかを考える女華。弟の恋についてあれこれ画策する麻美。お嬢さまの心境に不安しかない燕燕。言動と心境にずれが生じ、ちぐはぐな行動ばかりしてしまう姚。蝗害の災禍にたった一人立ち向かい、生きて西都に戻った羅半兄。西都でも中央でもそれぞれ違う人生があり、皆が皆、自分なりの悩みを抱えて生きていた。
万延元年(一八六〇年)。姦通の罪を犯した旗本・青山玄蕃に奉行所は切腹を言い渡す。だがこの男の答えは一つ。「痛えからいやだ」。玄蕃は蝦夷松前藩へ流罪となり、押送人の見習与力・石川乙次郎とともに奥州街道を北へと歩む。口も態度も悪く乙次郎を悩ませる玄蕃だが、道中行き会う事情を抱えた人々を、決して見捨てぬ心意気があった。
ある町の銀行の支店で起こった、現金紛失事件。女子行員に疑いがかかるが、別の男が失踪…!?“たたき上げ”の誇り、格差のある社内恋愛、家族への思い、上らない成績…事件の裏に透ける行員たちの人間的葛藤。銀行という組織を通して、普通に働き、普通に暮すことの幸福と困難さに迫った傑作群像劇。
継続捜査を担当する黒田は同期から20年前の大学生の自殺について聞かされる。その死に大物政治家の贈収賄が関わっているという。同じくこの事件を追う「ニュースイレブン」の報道記者・布施の情報から、黒田はカギとなる人物はIT長者の藤巻だと目算する。一方、番組キャスターの香山が突然の失踪。その背後にはテレビ業界や警察組織でさえも迂闊に手を出せない、闇が―。シリーズ第5弾。
ビートルズのLPを抱えて高校の廊下を歩いていた少女。同じバイト先だった女性から送られてきた歌集の、今も記憶にあるいくつかの短歌。鄙びた温泉宿で背中を流してくれた、年老いた猿の告白。スーツを身に纏いネクタイを結んだ姿を鏡で映したときの違和感―そこで何が起こり何が起こらなかったのか。驚きと謎を秘めた8篇。