いのちの車窓から

ドラマ「逃げ恥」「真田丸」、大ヒット曲「恋」に「紅白」出場と、怒涛の日々を送った約2年間。大注目を浴びるなかで、紡いできたのはある日の風景、周囲の人々、心の機微―。星野源が2017年まで雑誌で毎月執筆してきた大人気エッセイを収録。文庫版では10ページにわたる「文庫版あとがき」を書き下ろし。

星野源著 KADOKAWA 660円(税込)

丘の上の賢人 旅屋おかえり

売れないタレント・おかえりこと丘えりかは、依頼人に代わり旅をする「旅の代理人」。秋田での初仕事を終え、次なる旅先は北海道―ある動画に映っている人物が、かつての恋人か確かめてほしいという依頼だった。依頼人には、初恋を巡るほろ苦い過去があって…。『旅屋おかえり』未収録の、幻の札幌・小樽編が待望の書籍化。北海道旅エッセイ&おかえりデビュー前夜を描いた漫画も収録した特別編!

原田マハ著 集英社 638円(税込)

犬の報酬

大手メーカー・タチ自動車は自動運転実験中に衝突事故を起こす。警察は発表しなかったが、数日後、この事故の記事が東日新聞に掲載される。情報はどこから漏れたのか?総務課係長の伊佐美を中心に「犯人探し」のチームが発足するが…。新聞記者、内部告発者、そして「社畜」。それぞれの正義が交錯する、圧巻の経済小説。

堂場瞬一著 中央公論新社 946円(税込)

開戦

文庫書下ろし/長編時代小説 惣目付臨検仕る 3

惣目付として、奥右筆、目付に楔を打ち込んできた水城聡四郎に将軍吉宗から新たな命が下った。監察する対象は「大奥」。御広敷用人を務め、経験、知識のある聡四郎ではあったが、かつての“職場”は聡四郎の転任後、元の木阿弥になっていた。そして、大奥に切り込む聡四郎を意外な敵が狙う―。「惣目付」シリーズ、目が離せない激闘が繰り広げられる衝撃の第三弾。

上田秀人著 光文社 704円(税込)

ブラックボックス

2021年 第166回 芥川賞受賞

ずっと遠くに行きたかった。今も行きたいと思っている。自分の中の怒りの爆発を、なぜ止められないのだろう。自転車便のメッセンジャー、サクマは都内を今日もひた走る。

砂川文次著 講談社 1,705円(税込)

母の待つ里

家庭も故郷もない還暦世代の3人の男女の元に舞い込んだ“理想のふるさと”への招待。奇妙だけれど魅力的な誘いに半信半疑で向かった先には、かけがえのない“母”との出会いが待っていた。彼らが見出す人生の道しるべとは?あなたを迎えてくれる場所が、ここにある。至高の名作誕生!

浅田次郎著 新潮社 1,760円(税込)

六人の嘘つきな大学生

嘘つき学生と、嘘つき企業の、意味のない情報交換--それが就活。成長著しいIT企業「スピラリンクス」の最終選考。最終に残った六人が内定に相応しい者を議論する中、六通の封筒が発見される。そこには六人それぞれの「罪」が告発されていた。犯人は誰か、究極の心理戦スタート。

浅倉秋成著 KADOKAWA 1,760円(税込)

異変ありや

武者修行中の嫡子・空也の身を案じる江戸の坂崎磐音のもとに、長崎会所の高木麻衣から文が届く。酒匂太郎兵衛との勝負の末、瀕死の重傷を負った空也は、出島で異人外科医の手当てを受けたものの、意識が回復しないという。懸命の介護を続ける麻衣のもとを高麗の剣術家が訪れ、二日間、空也とふたりだけにしてほしいと願い出る。

佐伯泰英著 文藝春秋 814円(税込)