夜に星を放つ

2022年 第167回 直木賞受賞
もう何も失いたくない。でも私は、また人と関わりたいと思った。心の揺らぎが輝きを放つ短編集、著者の真骨頂五編。

窪美澄著 文藝春秋 1,540円(税込)

八丁越 新・酔いどれ小籐次(二十四)

頭成の湊に着き、森藩の国家老・嶋内と商人・小坂屋の不穏な結びつきを知った小籐次は、ある過去の出来事を思い出した。一方、瀬戸内海の旅を経て新技「刹那の剣」を生み出した駿太郎は、剣術家としての生き方を問うべく大山積神社での勝負に臨む―。森城下を目指す参勤の一行を難所・八丁越で待ち受ける十二人の刺客とは!

佐伯泰英著 文藝春秋 825円(税込)

第三次世界大戦はもう始まっている

本来、簡単に避けられたウクライナ戦争の原因と責任はプーチンではなく米国とNATOにある。事実上、米露の軍事衝突が始まり「世界大戦化」してしまった以上、戦争は容易には終わらず、露経済よりも西側経済の脆さが露呈してくるだろう。

エマニュエル・トッド著 大野舞訳 文藝春秋 858円(税込)

狂う潮 新・酔いどれ小籐次 23

淀川を襲う激しい嵐から人々を救うため、来島水軍流・剣の舞を天に奉納する小籐次・駿太郎親子。森藩の御座船・三島丸に乗りこんだ二人は、国家老一派から目の敵にされる。そんな中、船中からひとりの家臣が消えた―ついに、先祖の地・豊後を目にした小籐次に藩主・通嘉は「頼んだぞ」と声をかける。果たしてその意味とは。

佐伯泰英著 文藝春秋 825円(税込)

美しき愚かものたちのタブロー

「日本にほんものの美術館を創りたい」。その飽くなき夢を実現するため、絵を一心に買い集めた男がいた―。だが、戦争が始まり、ナチスによる略奪が行われ、コレクションは数奇な運命をたどることに。国立西洋美術館の礎であり、モネやゴッホなどの名品を抱く“松方コレクション”流転の歴史を描いた傑作長編。

原田マハ著 文藝春秋 891円(税込)

風に訊け 空也十番勝負(七)

数年にわたって修行の日々を過ごした西国を去ることに決め、福江島から船に乗り込んだ空也は、長州藩の萩城下に降り立った。町の道場を訪れると、図らずも藩主派と家老派による毛利家のお家騒動に巻き込まれることに。家老派と己の“ある因縁”に気づき、藩主派に力を貸すことにした空也は、家老派の企みを阻止すべく動き出す。

佐伯泰英著 文藝春秋 814円(税込)

傑作はまだ

「永原智です。はじめまして」。そこそこ売れている50歳の引きこもり作家の元に、生まれてから一度も会ったことのない25歳の息子が、突然やってきた。孤独に慣れ切った世間知らずな加賀野と、人付き合いも要領もよい智。血の繋がりしか接点のない二人の同居生活が始まる―。明日への希望に満ちたハートフルストーリー。

瀬尾まいこ著 文藝春秋 715円(税込)

女のいない男たち

「ドライブ・マイ・カー」「イエスタデイ」「独立器官」「シェエラザード」「木野」他全6篇。最高度に結晶化しためくるめく短篇集。

村上春樹著 文藝春秋 748円(税込)

香君 上下

上 西から来た少女
下 遥かな道

遥か昔、神郷からもたらされたという奇跡の稲、オアレ稲。ウマール人はこの稲をもちいて帝国を作り上げた。この奇跡の稲をもたらし、香りで万象を知るという活神“香君”の庇護のもと、帝国は発展を続けてきたが、あるとき、オアレ稲に虫害が発生してしまう。時を同じくして、ひとりの少女が帝都にやってきた。人並外れた嗅覚をもつ少女アイシャは、やがて、オアレ稲に秘められた謎と向き合っていくことになる。

上橋菜穂子著 文藝春秋 各1,870円(税込)

悪の包囲 ラストライン5

岩倉の犯罪に対する異様な記憶力を研究材料にすべく執拗につきまとっていたサイバー犯罪対策課の福沢が殺された。事件の直前に衆人環視の中で福沢と小競り合いを演じた岩倉は、容疑者扱いされ捜査本部から外される。身の潔白を証明すべく独自に捜査する岩倉。やがて事件の背後に謎の武器密売組織METOの存在が浮かび上がる。

堂場瞬一著 文藝春秋 880円(税込)