不可能な過去

「一事不再理」。刑事裁判で判決が確定した人間は、同じ事件で二度裁かれることはないという原則だ。その無罪を勝ち得た被告から、裁判の十年後、当時の担当刑事に手紙が届いた。「あの事件の犯人は、本当は私でした」と。相談を受けた追跡捜査係の沖田は、被告の足跡を辿り始めるが…。一方、神奈川県警に新設される追跡捜査班のアドバイザーとして招かれた西川は、ある未解決事件が気になっていた。二つの不審な事件がぶつかる時、複雑に絡み合った謎が解き明かされる!書き下ろし長編警察小説。

堂場瞬一著 角川春樹事務所 902円(税込)

夢の終幕 ボーダーズ2

人気バンドFOTが、松本のライブ終了後、ツアーバスごと消えた。所属事務所は密かに警察に相談。警視庁SCU(特殊事件対策班)の最上たちが担当を任された。バスは八王子で高速を降りたことが判明し、付近の捜索が始まる。だが、マネージャーの遺体が発見され…。最高の音を求めて響き合ってきた男たちが目指した夢の頂とは!?特殊能力を持つ刑事たちが、事件の深い闇に迫る。傑作警察小説。

堂場瞬一著 集英社 1,045円(税込)

決断の刻

ある企業の子会社で男性社員殺害事件と女性社員の行方不明事件が起きた。時を同じくして同社の贈賄事件を捜査中の所轄署の刑事が失踪する。上司の刑事課長と同社社長にはかねてより信頼関係があった。ラグビーという固い絆もある。しかし今、刑事課長は署長への道を模索し、社長は本社役員の座を狙う。二人それぞれの正義とは?堂場瞬一の世界が濃密に凝縮された傑作中の傑作。

堂場瞬一著 東京創元社 858円(税込)

悪の包囲 ラストライン5

岩倉の犯罪に対する異様な記憶力を研究材料にすべく執拗につきまとっていたサイバー犯罪対策課の福沢が殺された。事件の直前に衆人環視の中で福沢と小競り合いを演じた岩倉は、容疑者扱いされ捜査本部から外される。身の潔白を証明すべく独自に捜査する岩倉。やがて事件の背後に謎の武器密売組織METOの存在が浮かび上がる。

堂場瞬一著 文藝春秋 880円(税込)

犬の報酬

大手メーカー・タチ自動車は自動運転実験中に衝突事故を起こす。警察は発表しなかったが、数日後、この事故の記事が東日新聞に掲載される。情報はどこから漏れたのか?総務課係長の伊佐美を中心に「犯人探し」のチームが発足するが…。新聞記者、内部告発者、そして「社畜」。それぞれの正義が交錯する、圧巻の経済小説。

堂場瞬一著 中央公論新社 946円(税込)

ピーク

17年前、新米記者だった永尾は野球賭博のスクープを放つが、その後はパッとせず「一発屋」と自嘲する日々を送る。そんな時、自分の記事がもとで永久追放された“幻のエース”と再会する。彼は、殺人罪の容疑で法廷に立っていた。取材を始めた永尾は不審なことに気づき…。

堂場瞬一著 朝日新聞出版 902円(税込)

ボーダーズ

銀行殺人事件の被害者は、犯人の大学同級生。警視庁SCUの八神は真相を追い……。特殊能力捜査班の活躍を描く、文庫書き下ろしの警察小説新シリーズ。

堂場瞬一著 集英社 990円(税込)

帰還

東日新聞四日市支局長の藤岡が工場の夜景を撮影中に水路に転落し溺死した。警察は事故と判断したが、藤岡とともに新人時代を三重県で過ごした同期三人は納得がいかない。編集委員の松浦、初の女性役員になりそうな高本、なぜか出世ルートをはずれた本郷は真相究明に乗り出すが、それぞれに家族の問題でも悩みを抱えていた。

堂場瞬一著 文藝春秋 836円(税込)