異変ありや

武者修行中の嫡子・空也の身を案じる江戸の坂崎磐音のもとに、長崎会所の高木麻衣から文が届く。酒匂太郎兵衛との勝負の末、瀕死の重傷を負った空也は、出島で異人外科医の手当てを受けたものの、意識が回復しないという。懸命の介護を続ける麻衣のもとを高麗の剣術家が訪れ、二日間、空也とふたりだけにしてほしいと願い出る。

佐伯泰英著 文藝春秋 814円(税込)