春風譜 風の市兵衛 弐

唐木市兵衛は我孫子宿近くの村を訪れていた。小春の兄の又造が、妹と“鬼しぶ”の息子・良一郎との縁談を知り家出したのを、迎えに出たのだ。ところが、又造は訪ね先の親戚ともども行方知れずだった。同じ頃、村近くで宿の貸元と、流れ者の惨殺体が発見された。近在では利根川の渡船業等の利権争いで、貸元たちが対立していた。市兵衛は失踪人探索を始めるが…。

辻堂魁著 祥伝社 792円(税込)