一次元の挿し木

ヒマラヤ山中で発掘された二百年前の人骨。大学院で遺伝人類学を学ぶ悠がDNA鑑定にかけると、四年前に失踪した妹のものと一致した。不可解な鑑定結果を担当教授の石見崎に相談しようとした矢先、石見崎は何者かに殺害された。古人骨を発掘した調査員も襲われ、研究室から古人骨も盗まれた。悠は妹の生死と、古人骨のDNAの真相を突き止めるべく動き出すが、予想もつかない大きな企みに巻き込まれていく―。2025年第23回『このミステリーがすごい!』大賞文庫グランプリ受賞作。

松下龍之介著 宝島社 900円(税込)

能面検事の死闘

南海電鉄岸和田駅で無差別殺人事件が発生。七名を殺害した笹清政市は、自らを〈無敵の人〉と称する。数日後、大阪地検で郵送物の爆発事件が発生。被疑者〈ロスト・ルサンチマン〉は笹清の釈放を求める。不破俊太郎一級検事も新たな爆破に巻き込まれ―連続爆破事件は止められるか?〈ロスト・ルサンチマン〉の真の目的は?大人気検察官シリーズ第三弾!

中山七里著 光文社 792円(税込)

フロントライン

やれることは全部やる。命のために。あの時、ダイヤモンド・プリンセス号で何が起きていたのか。これは事実に基づく勇気の物語。綿密な取材に基づいて書かれた、知られざるストーリー。

増本淳著 サンマーク出版 1,760円(税込)

ハヤブサ消防団

東京での暮らしに見切りをつけ、亡き父の故郷であるハヤブサ地区に移り住んだミステリ作家の三馬太郎。地元の消防団に勧誘され、迷った末に入団した太郎だったが、のどかな集落でひそかに進行していた事件の存在を知り―。連続放火事件に隠された驚愕の真実とは?地方の小さな町を舞台にした、池井戸作品初の“田園”小説として話題を呼んだ、珠玉のミステリ。第36回柴田錬三郎賞受賞作。

池井戸潤著 集英社 1,320円(税込)

マスカレード・ゲーム

溶接加工会社勤務の入江悠斗が、何者かに刃物で胸を刺されて死んだ。悠斗は17歳のときに傷害事件を起こしていた。事件を担当する捜査一課の新田はかつての先輩警官・本宮、女性エリート警部・梓、その部下として働く能勢の捜査報告から、別の二件の殺人事件との関連性を疑う。そしてそれぞれの事件の容疑者が「あのホテル」に宿泊することが判明。新田は三度、潜入捜査を開始する―。

東野圭吾著 集英社 990円(税込)

#真相をお話しします

島育ちの仲良し小学生四人組。あの日「ゆーちゅーばー」になることを夢見た僕らの末路は…(「#拡散希望」)。マッチングアプリでパパ活。リモート飲み会と三角関係。中学受験と家庭教師。精子提供と殺人鬼。日常に潜む「何かがおかしい」。その違和感にあなたは気づくことができるか。新時代のミステリの旗手による、どんでん返しの五連撃。日本推理作家協会賞受賞作を含む、傑作短編集。

結城真一郎著 新潮社 649円(税込)

No.6 再開 #1

アニメ化、漫画化され150万部超えのベストセラー『NO.6』が14年ぶりの新シリーズ『NO.6再会』シリーズとしてスタート!
世間知らずな超エリートの紫苑とテロリストのネズミは運命的に出会い、偽りの理想都市「NO.6」を崩壊させた。「再会を必ず、紫苑」と告げて、ネズミが「NO.6」を去ってから2年後、『NO.6再会』が幕をあけるーーー。

あさのあつこ著 講談社 2,019円(税込)

新心霊探偵八雲 2

死者の魂を視る「赤い左眼」を持つ斉藤八雲は、同じ眼を持つ大学生の深水蘇芳と師弟関係を結ぶ。バラバラ死体を箱に収めるという都市伝説・襤褸女が流行るなか、〈心霊現象研究同好会〉の蘇芳と同級生・心音のもとに心霊相談が持ち込まれる。曰く、木彫りの像を手にした弟が行方不明になり、人間の右腕が収められた箱とともに発見されたという。一方、人と霊の区別がつかない蘇芳の体質に悩む八雲は、列車に撥ねられた少女の霊に出会い―。現実となる都市伝説と心霊事件。二つが軋みを上げて絡みあった果てに、心音の身に危険が迫る。スリル溢れる捜査の先に待つ真実!特殊設定ミステリ新次元!

押永学著 講談社 1,925円(税込)