彼岸花が咲く島

その島では〈ニホン語〉と〈女語〉が話されていた。 記憶を失くした少女が流れ着いたのは、ノロが統治し、男女が違う言葉を学ぶ島だった――。不思議な世界、読む愉楽に満ちた中編小説。第165回芥川賞受賞。

李琴峰著 文藝春秋 1,925円(税込)

ぼくのお父さん

絵本作家の「お父さん」は、ふつうじゃなくて、ふしぎで少し恥ずかしい。『大家さんと僕』の著者が実の父を描く、ほのぼの家族漫画。

矢部太郎著 新潮社 1,265円(税込)

テスカトリポカ

鬼才・佐藤究が放つ、クライムノベルの新究極、世界文学の新次元!メキシコの麻薬密売人バルミロと臓器ブローカーの末永はジャカルタで出会い、新たな闇ビジネスを実現させるため日本へ向かう。カワサキに生まれ育った少年コシモは知らぬ間に彼らの犯罪に巻きこまれていく――。第165回直木賞受賞。

佐藤究著 KADOKAWA 2,310円(税込)

どうしても頑張れない人たち

「頑張る人を応援します」。世間ではそんなメッセージがよく流されるが、実は「どうしても頑張れない人たち」が一定数存在していることは、あまり知られていない。彼らはサボっているわけではない。頑張り方がわからず、苦しんでいるのだ。大ベストセラー『ケーキの切れない非行少年たち』に続き、困っている人たちを適切な支援につなげるための知識とメソッドを、児童精神科医が説く。

宮口幸治著 新潮社 792円(税込)

老いの福袋

老年よ、大志を抱け、サイフも抱け! 88歳のヒグチさんの日常は初めてづくしの大冒険。トイレ閉じ込め事件から、お金、働き方、人づきあい、介護、終活問題まで、人生100年時代を生きる人に勇気を与える「知恵とユーモア」がつまったエッセイ。「見果てぬ夢を見るのは、老人の特権です。未来を夢見て、夢を語れば、きっとその夢を継いでくれる人が現れます。自分たちの子や孫、そのまた子どもたちがより幸福に生きられるように。老人たちよ、おおいに夢を見ようではありませんか」――樋口恵子

樋口恵子著 中央公論新社 1,540円(税込)

あんなに あんなに

いつか大人になるきみへ、むかし子どもだったあなたへ。すべての家族に寄り添う絵本。

子育ては「あんなに」の連続。あんなにほしがってたのに、あんなにしんぱいしたのに、あんなに小さかったのに―。日常にあふれるたくさんの「あんなに」の中で、子どもは大人になっていく―。大人気の絵本作家・ヨシタケシンスケによる、こどもと昔こどもだったすべての人に届けたい、ちょっと目頭が熱くなっちゃうやさしい絵本。

ヨシタケシンスケ著 ポプラ社 1,320円(税込)

未来のドリル

コロナが見せた日本の弱点

少子化はコロナ禍で18年も早まった!日本の病巣「社会の老化」を「人口減少ドリル」で易しく学ぶ!『未来の年表』シリーズ第4弾!

河合雅司著 講談社 968円(税込)

1%の努力

「赤羽の団地」「就職氷河期」「初めてのパソコン」「アメリカでの起業」「2ちゃんねる誕生のきっかけ」「連日の裁判と100件以上の敗訴」「ニコニコ動画の開発秘話」「英語圏最大の匿名掲示板4chanのこと」…。初めて人生をまじめに語る。

ひろゆき著 ダイヤモンド社 1,650円(税込)

琥珀の夏

大人になる途中で、私たちが取りこぼし、忘れてしまったものは、どうなるんだろう――。封じられた時間のなかに取り残されたあの子は、どこへ行ってしまったんだろう。

かつてカルトと批判された〈ミライの学校〉の敷地から発見された子どもの白骨死体。弁護士の法子は、遺体が自分の知る少女のものではないかと胸騒ぎをおぼえる。小学生の頃に参加した〈ミライの学校〉の夏合宿。そこには自主性を育てるために親と離れて共同生活を送る子どもたちがいて、学校ではうまくやれない法子も、合宿では「ずっと友達」と言ってくれる少女に出会えたのだった。もし、あの子が死んでいたのだとしたら……。
30年前の記憶の扉が開き、幼い日の友情と罪があふれだす。

圧巻の最終章に涙が込み上げる、辻村深月の新たなる代表作。

辻村深月著 文藝春秋 1,980円(税込)