推し、燃ゆ

逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を”解釈”することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し-。

宇佐見りん著 河出書房新社 638円(税込)

鬼の花嫁 新婚編3

新婚旅行を終え、玲夜の隣で眠りについたはずの柚子。でも目覚めたときには横に玲夜はおらず、まったく違う場所にいた。『私の神子ーー』と声が聞こえ現れたのは、銀糸のような長い髪の美しい神だった。突然目覚めた神に、消えた神器を探すよう告げられ、柚子は玲夜とともに奔走するけれど…!? それはあやかしの溺愛本能を消す代物だった。「たとえ、本能をなくしても俺の花嫁はお前だけだ」文庫版限定の特別番外編・猫又の花嫁恋人編収録。あやかしと人間の和風恋愛ファンタジー新婚編第三弾!

クレハ著 スターツ出版 660円(税込)

わたしの幸せな結婚 七

様々な困難を乗り越えて、ついに迎えた祝言の日。桜吹雪が舞う美しい陽気に反して、美世は朝から気が気ではなかった。前日に緊急の呼び出しがあり仕事に向かった清霞が、婚礼のはじまる時刻が近づいても帰ってこないのだ。花嫁衣装に身を包み、「誰よりも私が、明日を心待ちにしている」という清霞の言葉を信じて待つ美世。けれどその裏では、五道と深い因縁のある強力な異形の影が動いていた。少女があいされて幸せになるまでの物語は、婚礼を迎え、幸せな「家族」の物語へ―。

顎木あくみ著 KADOKAWA 726円(税込)

オムニバス

葛飾区青戸の女子大生殺害事件。浮上した被疑者は、すでに別件で本所署に留置されていた。勝俣に呼び出された姫川玲子は、本所の案件には触るなと強要される―。(「それが嫌なら無人島」)住人の男が自殺した家の床下から、女性の腐乱死体が発見された!二人の関係は?そして男の不可解な行動の意味とは?(「六法全書」)ほか、姫川玲子が新たな魅力を見せる全七編。

誉田哲也著 光文社 880円(税込)

あだ討ち 柳橋の桜2

新作書下ろしシリーズ「柳橋の桜」の第二巻。主人公は船頭の娘・桜子。父親が猪牙船を操る姿を見て育ち、自分も女船頭になることを夢見ている女性。香取流棒術の道場に通い、師匠が認めるほどの武芸の腕前を持つ。棒術で悪党を懲らしめたことが読売で書かれ、江戸で評判となった桜子は、念願の女船頭となる。舟盗賊が出没し殺人事件も起きているという物騒なこの時期に船頭となることを心配する父・広吉。そんななか、桜子に思わぬ悲劇が……。

佐伯泰英著 文藝春秋 880円(税込)

逆ソクラテス

敵は、先入観。世界をひっくり返せ!伊坂幸太郎史上、最高の読後感。デビュー20年目の真っ向勝負!逆転劇なるか!? カンニングから始まったその作戦は、クラスメイトを巻き込み、思いもよらぬ結末を迎える--「逆ソクラテス」足の速さだけが正義……ではない? 運動音痴の少年は、運動会のリレー選手にくじ引きで選ばれてしまうが--「スロウではない」最後のミニバス大会。五人は、あと一歩のところで、“敵”に負けてしまった。アンハッピー。でも、戦いはまだ続いているかも--「アンスポーツマンライク」ほか、「非オプティマス」「逆ワシントン」--書き下ろしを含む、無上の短編全5編を収録。

伊坂幸太郎著 集英社 792円(税込)

六人の嘘つきな大学生

IT企業「スピラリンクス」の最終選考に残った波多野祥吾は、他の五人の学生とともに一ヵ月で最高のチームを作り上げるという課題に挑むことに。うまくいけば六人全員に内定が出るはずが、突如「六人の中から内定者を一人選ぶ」ことに最終課題が変更される。内定をかけた議論が進む中、発見された六通の封筒。そこには「●●は人殺し」という告発文が入っていた―六人の「嘘」は何か。伏線の狙撃手が仕掛ける究極の心理戦!

浅倉秋成著 KADOKAWA 814円(税込)

魂手形 三島屋変調百物語七之続魂手形

一生に一度きりの「物語り」をつづけましょう。江戸神田の袋物屋・三島屋では一風変わった百物語が続けられている。これまで聞き手を務めてきた主人の姪の跡を継いだのは、次男坊の富次郎。美丈夫の勤番武士が語る、火災を制する神器の秘密とは……。

宮部みゆき著 KADOKAWA 814円(税込)

竈稲荷の猫

日本橋からほど近い竃河岸の裏店で、小夏は三味線職人の父とふたり暮らしだ。父の弟弟子の善次郎は、母のいない小夏を気遣いながら、一張の三味線を造り上げることを夢見て修業に励んでいた。ふたりは力を合わせ、世にひとつしかない三味線を造り上げようとするが、さまざまな困難が襲う。才能溢れる若き男女が、己を信じて夢に向かい進む先に待つものとは。

佐伯泰英著 光文社 836円(税込)

灯台からの響き

本の間から見つかった、亡き妻宛ての古い葉書。妻の知られざる過去を追い、男は灯台を巡る旅に出る--。地方紙で連載されていた人気作、待望の文庫化!板橋の商店街で、父の代から続く中華そば屋を営む康平は、一緒に店を切り盛りしてきた妻を急病で失って以来、長い間休業していた。ある日、分厚い本の間から、妻宛ての古い葉書を見つける。30年前の日付が記された葉書には、地図のような線画と数行の文章が添えられていた。差出人は大学生の小坂真砂雄。記憶をたどるうちに、当時30歳だった妻が「見知らぬ人からはがきが届いた」と言っていたことを思い出す。なぜ妻はこれを大事にとっていたのか、そしてなぜ康平の蔵書に挟んでおいたのか。妻の知られざる過去を探して、康平は旅に出る--。市井の人々の姿を通じて、人生の尊さを照らし出す傑作長編。

宮本輝著 集英社 990円(税込)