大きなエネルギーを持ち「変容」を司る冥王星が水瓶座入りする日、満月珈琲店のメンバーは北海道の音楽祭にいた。転職で札幌にやってきた小雪は、かつて三毛猫のマスターに出会ったことがあるという女性に会いに行く。女性から小樽の昔話を聞いて…。美しいイラストと響き合う書き下ろし小説。短編「幸せなシモベ」も収録。

株式会社 山田快進堂
大きなエネルギーを持ち「変容」を司る冥王星が水瓶座入りする日、満月珈琲店のメンバーは北海道の音楽祭にいた。転職で札幌にやってきた小雪は、かつて三毛猫のマスターに出会ったことがあるという女性に会いに行く。女性から小樽の昔話を聞いて…。美しいイラストと響き合う書き下ろし小説。短編「幸せなシモベ」も収録。
人生の最後に食べたいおやつは何ですか――若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色のなか、本当にしたかったことを考える。ホスピスでは、毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫はなかなか選べずにいた。――食べて、生きて、この世から旅立つ。すべての人にいつか訪れることをあたたかく描き出す、今が愛おしくなる物語。2020年本屋大賞第2位。
東京・池袋で男の刺殺体が発見された。警視庁池袋署刑事課長の本宮は、捜査の過程で捜査一課長からある密旨を受ける。その約半年後、東京・新木場で爆殺傷事件が起きる。やがて容疑者が浮上するが、捜査に携わる警視庁組織犯罪対策部の植木は、その経緯に違和感を抱く。そしてまた、捜査一課の管理官となった本宮も違和感を覚えていた。捜査の裏に、いったい何があったのか―。
バブルに沸く昭和後期。一見、平凡な家庭の北山家では、元情報員の妻宮子が姑セツと熾烈な争いを繰り広げていた。アナログに回帰した近未来。配達人の水戸は、一通の手紙をきっかけに、ある事件に巻き込まれ、因縁の相手桧山に追われる。時空を超えて繋がる二つの物語。「運命」は、変えることができるのか―。創作秘話を明かすあとがき収録。
妻の介護に疲れ、行政の支援からも見放された夫は、長年連れ添った愛妻を連れ、死に場所を求めて旅に出る(表題作「駅の名は夜明」)。幼い娘を病で失った母親が、娘と一緒に行くと約束したウィーンの街に足を運ぶ。そこで起きた奇跡とは?(「トラムに乗って」)。病で余命いくばくもない父親に、実家を飛び出し音信不通だった息子が会いにいくと…(「背中を押すひと」)。鉄道を舞台に困難や悲しみに直面する人たちの再生を描く九つの物語。大ベストセラー『ふるさと銀河線 軌道春秋』の感動が蘇る。
一夜が居候する駿河屋に淡海屋七右衛門から焼き物が届いた。大坂一の商人が出した謎かけを受けて立った総衛門は、早速焼き物を手に老中・堀田加賀守の屋敷へ。その頃一夜は伊賀忍の素我部を呼び出し、柳生家を危うくする計略を耳打ちしていた。素我部からの知らせを聞き、一夜に激怒する柳生藩主の宗矩。三代将軍家光が寵愛する柳生左門を巡り、敵味方の奇策が飛び交う中、一夜は秘密裏に旅支度を備える。そして上方では、信濃屋の長女・永和が一夜を心配するあまり、住み込みで手伝っていた淡海屋を飛び出そうと七右衛門と押し問答に…。大車輪の第六弾!
新宿の片隅でたばこ屋を営む青年・安原はじめ。7年前に失踪した父から「山」を相続した途端、「山を売ってほしい」という依頼が次々と舞い込み始める。そこへ現れたのは、“幽霊”を名乗る美しい女。山の秘密を知るという美女に導かれ、はじめはその山の“中”へと案内される。その場所こそは、山内と呼ばれる異界。人の形に変じることのできる八咫烏の一族が統治する世界だった――猿との大戦(『弥栄の烏』)より20年の時を経て、物語は現代の風景から始まる。舞台は次第に「山内」へと移り、動乱の時代を生き抜いた八咫烏たちの今、そして新たなる世代の台頭が描かれる。 第1部以上のスケールで展開される、傑作異世界ファンタジー。
オリジナルTVアニメ『リコリス・リコイル』を原案アサウラがノベライズ!喫茶リコリコの日常的な非日常――。甘い和のスイーツとほろ苦い珈琲、そして妙な客とおかしな店員が織り成す誰もがお店に行きたくなる……アニメでは描き切れなかった彼女たちの日常を、アサウラ自らがスピンオフ!
静岡のゴミ屋敷の焼け跡から、3年前に東京で失踪した若い女性の遺体が見つかった。逮捕されたのは、23年前の少女殺害事件で草薙が逮捕し、無罪となった男。だが今回も証拠不十分で釈放されてしまう。町のパレード当日、その男が殺された―容疑者は、女性を愛した普通の人々。彼らの“沈黙”に、天才物理学者・湯川が挑む!
大富豪・三田村朋哉は、孫娘の奈美に、遺産を渡したい人物として杉原爽香の名前を挙げる。以前、助けられたことがあるらしいが、爽香にはさっぱり覚えがない。一方、娘の珠実は中学一年に。放課後に担任・里谷美穂の手伝いをしたおり、コピー機に忘れられた書類に気付き、里谷に預ける。だがその夜、里谷から不可解な内容のメールが届き、彼女は襲われてしまう。