雷神

埼玉で小料理屋を営む藤原幸人のもとにかかってきた一本の脅迫電話。それが惨劇の始まりだった。昭和の終わり、藤原家に降りかかった「母の不審死」と「毒殺事件」。真相を解き明かすべく、幸人は姉の亜沙実らとともに、30年の時を経て、因習残る故郷へと潜入調査を試みる。すべては、19歳の一人娘・夕見を守るために…。なぜ、母は死んだのか。父は本当に「罪」を犯したのか。村の伝統祭“神鳴講”が行われたあの日、事件の発端となった一筋の雷撃。後に世間を震撼させる一通の手紙。父が生涯隠し続けた一枚の写真。そして、現代で繰り広げられる新たな悲劇―。ささいな善意と隠された悪意。決して交わるはずのなかった運命が交錯するとき、怒涛のクライマックスが訪れる。

道尾秀介著 新潮社 1,870円

劇場

演劇を通して世界に立ち向かう永田と、その恋人の沙希。夢を抱いてやってきた東京で、ふたりは出会った―。『火花』より先に書き始めていた又吉直樹の作家としての原点にして、書かずにはいられなかった、たったひとつの不器用な恋。夢と現実のはざまにもがきながら、かけがえのない大切な誰かを想う、切なくも胸にせまる恋愛小説。

 

又吉直樹著   新潮社  1,404円(込)

か「」く「」し「」ご「」と「

みんなは知らない、ちょっとだけ特別なちから。そのせいで、君のことが気になって仕方ないんだ―きっと誰もが持っている、自分だけのかくしごと。5人のクラスメイトが繰り広げる、これは、特別でありふれた物語。共感度No.1の青春小説!

住野よる著   新潮社   1,512円(込)

ハリネズミの願い

愛なるどうぶつたちへ ぼくの家にあそびに来るよう、キミたちみんなを招待します。…でも、だれも来なくてもだいじょうぶです。」ハリネズミに友だちはできるのか?オランダでもっとも敬愛される作家による、臆病で気むずかしいあなたのための物語。

トーン・テヘレン著  新潮社  1,404円(込)

ライアー

美しき妻の素顔は秘密機関に属する凄腕の暗殺者。穏やかな研究者の夫。素直に育った息子。幸せな家庭に恵まれた神村奈々の真の姿は対象人物の「国外処理」を行う秘密機関の工作員だ。ある日、夫が身元不明の女と怪死を遂げた。運命の歯車は軋みを立て廻り始める。次々と立ちはだかる謎。牙を剥く襲撃者たち。硝煙と血飛沫を浴び、美しき暗殺者はひとり煉獄を歩む。愛とは何か――真実は何処に? アクション・ハードボイルドの最高傑作。

 

大沢在昌著   新潮社   1,015円(込)

騎士団長殺し 第一部

『1Q84』から7年――、 待ちかねた書き下ろし本格長編 その年の五月から翌年の初めにかけて、私は狭い谷間の入り口近くの、山の上に住んでいた。夏には谷の奥の方でひっきりなしに雨が降ったが、谷の外側はだいたい晴れていた……それは孤独で静謐な日々であるはずだった。騎士団長が顕(あらわ)れるまでは。

 

村上春樹著   新潮社  1,944円(込)   第二部 同時発売 1,944円(込)

村上海賊の娘 1~4

時は戦国。乱世にその名を轟かせた海賊衆がいた。村上海賊―。瀬戸内海の島々に根を張り、強勢を誇る当主の村上武吉。彼の剛勇と荒々しさを引き継いだのは、娘の景だった。海賊働きに明け暮れ、地元では嫁の貰い手のない悍婦で醜女。この姫が合戦前夜の難波へ向かう時、物語の幕が開く―。本屋大賞、吉川英治文学新人賞ダブル受賞!木津川合戦の史実に基づく壮大な歴史巨編。

和田 竜著   新潮社    1,2巻 637円(込) 3,4巻 680円(込)

何者

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから―。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて…。直木賞受賞作。

 

朝井リョウ著    新潮社  637円(込)

暗幕のゲルニカ

 

反戦のシンボルにして20世紀を代表する絵画、ピカソの“ゲルニカ”。国連本部のロビーに飾られていたこの名画のタペストリーが、2003年のある日、忽然と姿を消した…。大戦前夜のパリと現代のNY、スペインが交錯する、華麗でスリリングな美術小説。

原田マハ著   新潮社  1728円(込)

わかれ

親しい友人も肉親も、愛した男たちもすべて、もうこの世にはいない。ありありと感じる死者の気配を、日々、書き留めるだけだ―。病を乗り越え、九十歳を過ぎてなお、書かずにいられない衝動に突き動かされ、十年の歳月をかけて紡ぎ出された珠玉の小説九篇。

 

瀬戸内寂聴著  新潮社   1512円(込)