内憂 惣目付臨検仕る 4

奥右筆、七代将軍生母の月光院にまで楔を打ち込んできた惣目付の水城聡四郎。暮政改革を進めんとする将軍吉宗とその腹心聡四郎の前に、次に立ちはだかったのは目付だった。老中、大名家すらも監禁してきた江戸城中最大の権力に対して、聡四郎は手を打てるのか。そして、聡四郎にまたも危難が―。「惣目付」シリーズ、誰も書いたことのない激闘が詰まった第四弾。

上田秀人著 光文社 726円(税込)

イマジン?

「朝五時。渋谷、宮益坂上」。その9文字が、良井良助の人生を劇的に変えた。飛び込んだのは映像業界。物語と現実を繋げる魔法の世界にして、ありとあらゆる困難が押し寄せるシビアな現場。だがそこにいたのは、どんなトラブルも無理難題も、情熱×想像力で解決するプロフェッショナル達だった!有川ひろが紡ぐ、底抜けにパワフルなお仕事小説。

有川ひろ著 幻冬舎 869円(税込)

魔眼の匣の殺人

「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」人里離れた施設に暮らし、予言者と恐れられる老女は、その日訪ねた葉村譲と剣崎比留子ら九人に告げた。直後、彼らと外界を結ぶ唯一の橋が燃え落ちて脱出不可能に。予言通りに一人が命を落とし、さらに客の女子高生が予知能力者と判明して慄然とする葉村たち。残り48時間、死の予言は成就するのか。ミステリ界を席捲したシリーズ第2弾!

今村昌弘著 東京創元社 858円(税込)

本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません 第5部〔9〕

ついに火蓋を切られる「ゲルラッハの戦い」。騎獣で駆けるローゼマインは護衛騎士に守られながら敵陣を突破!決戦の舞台はマティアスと潜入するギーベの館へ―冷酷なグラオザムとの宿命の対決の行方は?終戦後、エーレンフェストに帰還したローゼマインは穏やかな時間を過ごす。領地に残った者たちの武勇伝を聞いたり、神殿や下町の様子を確認したり、衣装の仮縫いをしたり。だが、それも束の間、一連の首謀者たちの暗躍は終わっていなかった…。ユルゲンシュミットを揺るがす戦火の全貌を目撃せよ!前巻に続く書き下ろし100ページ超の閑話集「エーレンフェスト防衛戦(後半)」、椎名優描き下ろし「四コマ漫画」収録!

香月美夜著 TOブックス 1,320円(税込)

夜に星を放つ

2022年 第167回 直木賞受賞
もう何も失いたくない。でも私は、また人と関わりたいと思った。心の揺らぎが輝きを放つ短編集、著者の真骨頂五編。

窪美澄著 文藝春秋 1,540円(税込)

薬屋のひとりごと 12

玉鴬は、蝗害は異民族のせいで起きたと憤る民を鎮める名目で、砂欧に戦争を仕掛けようとしていた。壬氏は戦を避けようと頭を悩ませていたが、玉鴬の暗殺という思わぬ形で戦を回避することになる。しかし、領主代行を失った西都の舵を取る者がいない。壬氏は、いやいやながら西都の政務を執ることになった。猫猫は、心身ともに疲弊する壬氏を気遣いながら、怪我人や病人を診る日々を送っていた。そんなある日、壬氏は、領主代行だった玉鴬の息子たちを、西都のために後継者として政治を教え、育成してほしいと頼まれる。しかし、玉鴬の長男・鴟梟はどうしようもない無頼漢であった。他の二人も後継者教育を受けたことなどないことがわかり、猫猫は頭を抱えてしまうのだが―。

日向夏著 主婦の友インフォス 792円(税込)

わたしの幸せな結婚 6

身に覚えのない罪で投獄された清霞。彼と離ればなれになった美世は、清霞を助けるために一人で軍本部へと向かう。しかし目的地に着いたその時、彼女の袖を引く者がいた。振り返った美世が見たのは、清霞そっくりの美少年。彼は清霞の式だという。式に強引に連れ帰られた美世は、薄刃の家で態勢を調えて出直すことを決める。すべては清霞と再会するため、美世は自力で道を切り開いていく。そして迎えた甘水との決戦は―。これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。

顎木あくみ著 KADOKAWA 704円(税込)

風と行く者 -守り人外伝-

つれあいの薬草師タンダと草市を訪れた女用心棒バルサは、二十年前、共に旅した旅芸人サダン・タラムの一行と偶然再会する。魂の風をはらむシャタ“流水琴”を奏で、異界“森の王の谷間”への道を開くサダン・タラムの若い女頭エオナは、何者かに狙われていた。再び護衛を頼まれたバルサは、養父ジグロの娘かもしれないと気づいたエオナを守るため、父への回顧を胸にロタ王国へと旅立つが。

上橋菜穂子著 新潮社 825円(税込)

今夜、世界からこの恋が消えても

僕の人生は無色透明だった。日野真織と出会うまでは―。クラスメイトに流されるまま、彼女に仕掛けた嘘の告白。しかし彼女は“お互い、本気で好きにならないこと”を条件に告白を受け入れるという。そうして始まった偽りの恋。やがてそれが偽りとは言えなくなったころ―僕は知る。「病気なんだ私。前向性健忘って言って、夜眠ると忘れるの。一日にあったこと、全部」日ごと記憶を失う彼女と、一日限りの恋を積み重ねていく日々。しかし、それは突然終わりを告げ…。

一条岬著 KADOKAWA 693円(税込)