七つの会議

きっかけはパワハラだった!トップセールスマンのエリート課長を社内委員会に訴えたのは、歳上の部下だった。そして役員会が下した不可解な人事。いったい二人の間に何があったのか。今、会社で何が起きているのか。事態の収拾を命じられた原島は、親会社と取引先を巻き込んだ大掛かりな会社の秘密に迫る。ありふれた中堅メーカーを舞台に繰り広げられる迫真の物語。傑作クライム・ノベル。

池井戸 潤著   集英社  864円(込)

あきない世傳金と銀 源流篇

物がさっぱり売れない享保期に、摂津の津門村に学者の子として生を受けた幸。父から「商は詐なり」と教えられて育ったはずが、享保の大飢饉や家族との別離を経て、齢九つで大坂天満にある呉服商「五鈴屋」に奉公へ出されることになる。慣れない商家で「一生、鍋の底を磨いて過ごす」女衆でありながら、番頭・治兵衛に才を認められ、徐々に商いに心を惹かれていく。果たして、商いは詐なのか。あるいは、ひとが生涯を賭けて歩むべき道か―大ベストセラー「みをつくし料理帖」の著者が贈る、商道を見据える新シリーズ、ついに開幕!

高田 郁著  角川春樹事務所  626円(込)

望郷

暗い海に青く輝いた星のような光。母と二人で暮らす幼い私の前に現れて世話を焼いてくれた“おっさん”が海に出現させた不思議な光。そして今、私は彼の心の中にあった秘密を知る…日本推理作家協会賞受賞作「海の星」他、島に生まれた人たちの島への愛と憎しみが生む謎を、名手が万感の思いを込めて描く。

 

湊 かなえ著  文藝春秋  594円(込)

ぼくは明日、昨日のきみとデートする

京都の美大に通うぼくが一目惚れした女の子。高嶺の花に見えた彼女に意を決して声をかけ、交際にこぎつけた。気配り上手でさびしがりやな彼女には、ぼくが想像もできなかった大きな秘密が隠されていて―。「あなたの未来がわかるって言ったら、どうする?」奇跡の運命で結ばれた二人を描く、甘くせつない恋愛小説。彼女の秘密を知ったとき、きっと最初から読み返したくなる

七月隆文著  宝島社  724円(込)

仮面病棟

療養型病院に強盗犯が籠城し、自らが撃った女の治療を要求した。事件に巻き込まれた外科医・速水秀悟は女を治療し、脱出を試みるうち、病院に隠された秘密を知る―。閉ざされた病院でくり広げられる究極の心理戦。そして迎える衝撃の結末とは。現役医師が描く、一気読み必至の“本格ミステリー×医療サスペンス”。著者初の文庫書き下ろし!

知念実希人著  実業の日本社   640円(込)

ストーリー・セラー

妻の病名は、致死性脳劣化症候群。複雑な思考をすればするほど脳が劣化し、やがて死に至る不治の病。生きたければ、作家という仕事を辞めるしかない。医師に宣告された夫は妻に言った。「どんなひどいことになっても俺がいる。だから家に帰ろう」。妻は小説を書かない人生を選べるのか。極限に追い詰められた夫婦を描く、心震えるストーリー。

 

有川 浩著   幻冬舎   583円(込)

残り全部バケーション

当たり屋、強請りはお手のもの。あくどい仕事で生計を立てる岡田と溝口。ある日、岡田が先輩の溝口に足を洗いたいと打ち明けたところ、条件として“適当な携帯番号の相手と友達になること”を提示される。デタラメな番号で繋がった相手は離婚寸前の男。かくして岡田は解散間際の一家と共にドライブをすることに―。その出会いは偶然か、必然か。裏切りと友情で結ばれる裏稼業コンビの物語。

 

伊坂幸太郎著  集英社  605円(込)

小説土佐堀川

豪商三井家から17歳で大坂の両替商・加島屋に嫁いだ浅子は、家運が傾くと持ち前の商才を発揮、「九転十起」の精神で難局を切り開き、大坂随一の実業家として大成する。晩年は女子教育にも力を注ぎ、日本初の女子大学開設に奔走。歴史に埋もれてきた不世出の女性実業家の生涯を、初めて世に紹介した名作が、待望の文庫化。

 

古川智映子著  潮出版社  734円(込)

下町ロケット

研究者の道をあきらめ、家業の町工場・佃製作所を継いだ佃航平は、製品開発で業績を伸ばしていた。そんなある日、商売敵の大手メーカーから理不尽な特許侵害で訴えられる。圧倒的な形勢不利の中で取引先を失い、資金繰りに窮する佃製作所。創業以来のピンチに、国産ロケットを開発する巨大企業・帝国重工が、佃製作所が有するある部品の特許技術に食指を伸ばしてきた。特許を売れば窮地を脱することができる。だが、その技術には、佃の夢が詰まっていた―。男たちの矜恃が激突する感動のエンターテインメント長編!第145回直木賞受賞作。

 

池井戸 潤著  小学館  778円(込)

境遇

政治家の妻であり、息子のために描いた絵本『あおぞらリボン』がベストセラーとなった高倉陽子と、新聞記者の相田晴美は親友同士。共に幼いころ親に捨てられ児童養護施設で育った過去を持つ。ある日、「息子を返してほしければ、真実を公表しろ」という脅迫状とともに、陽子の息子が誘拐された。「真実」とは一体何なのか。そして犯人は…。絵本『あおぞらリボン』(作・みなとかなえ、絵・すやまゆうか)を特別収録。

 

湊 かなえ著   双葉社   680円(込)